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【改稿版】十一の獣は魔王と共に  作者: 九重楓
第四部 6章 封神――母は独り、愛しき娘を思う

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05

 ティアマトの声にムシュマッヘの声が重なった。

 ラハブとバシュムの戦闘不能を確認し、ティアマトに対峙する。


「ようやくか。遅いぞ」

「すみません、母様――――――――」


 ムシュマッヘがティアマトの胸に手を当てる。それを母は拒まず、その手を小さな手で包み込んだ。長女はそれに目を見開いて、声を上げることなく大粒の涙を流す。

 小さなティアマトの胸の上に魔術陣が展開された。それは今まで咲和や十一の獣、ティアマトが使ってきたどの魔術陣よりも小さく、シンプルだ。ハートが剣で貫かれているだけのもの。

 ボロボロと涙を流しながら、ムシュマッヘと四人の魔術詠唱者が最後の一節を謳い上げる。



「「「「「―――――――――――原初は絶た(ベースティアエ・)れ、獣は(アエテルヌム・オリ)人に歩み寄る(ギナーレ・アモル)」」」」」


 最後の詩と共にティアマトは帝都の中央広場から、リシュヌ法国、神殿街「エサラギ」の「エ・テメン・アン・キ」の跡地に転移した。

そこで胸に展開された魔術陣から出現した大剣によって胸を貫かれ、四肢も同様の大剣で貫かれて地面に磔にされた。磔にされた上に、幾十層もの魔術陣が彼女を押しつぶさんと展開された。最後には「エ・テメン・アン・キ」の跡地に蓋をする形で巨大な魔術陣が形成されて、遂に「封神」は為された。




 ティアマトの去った帝都の中央広場には、ギルタブリルによって慈悲を施された暴動関与者(罪人)とボロボロと涙を流す姉妹たちだけが残った。

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