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【改稿版】十一の獣は魔王と共に  作者: 九重楓
第四部 6章 封神――母は独り、愛しき娘を思う

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04

「母さん! 何故!」

 ウガルルムが拳を繰り出しながらも問う。


「そんなこと解っているだろう?」

 全てを避けながらティアマトは我が仔の問いに応える。返ってきたものが想像通りのものでウガルルムの貌はより歪んでいく。


「……お前たちは優しい。優しすぎるんだよ。だから――――」


 そこで言葉を切って、力強く指を鳴らす。魔術陣は出現するも詠唱はない。ティアマトの足元に出現した魔術陣に熱が籠り始める。それに気が付いた、三人は同時に彼女から距離を取った。

 三人が距離を取った直後、ティアマトを飲み込む様に蛇焔が魔術陣より立ち上った。蛇焔は天高く昇り、そして、帝国国民を誘導しているウリとウムへと落下していく。

 蛇焔の落下に気が付いたウガルルムは地面を抉るほどの踏み込みで、二人の愛らしい妹へと駆け出した。


 三女が抜けた隙を突き、ティアマトが距離を取ったラハブへと駆けた。気が付いたラハブも同時に駆け出す。バシュムが遅れて短剣をティアマトに向けて投擲。

 短剣は尾で弾かれ、ラハブの触手による攻撃は直前で回避される。攻撃全てを躱したティアマトが拳を握り締めて、ラハブへと殴りかかった。


 六女は躱すことも受け止めることもできず、頬に母の一撃をまともに喰らった。その一撃は空気を砕くほどのものだ。衝撃波で広場の周りにあった民家の上階は消し飛ぶ。

殴られたラハブを中心に地面は抉れ、彼女は一撃で戦闘不能に陥った。彼女の疑似的な不死性がなければ確実に絶命していたほどの一撃だ。


そんな一撃を目の当たりにしてバシュムは一歩も動けなくなってしまった。十一の獣最強と呼ぶに相応しい六女ラハブを一撃で戦闘不能に追いやったのだ。ラハブにすら及ばない自分が敵うはずがないと、躰が硬直してしまった。

 負傷こそしてないがバシュムも戦闘不能に相違ない。

 六女と九女の戦闘不能を見届けたティアマトが口を開く。



「「―――私が全ての敵と為る」」

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