01
「ムシュマッヘでございます。母様、どうかなされましたか?」
帝都にて復興の指揮を執っていたムシュマッヘの下に、クサリクが依然使った通信魔術に依ってティアマトより突然通信が入った。
「時間が空き次第、湖に浮かぶ城に帰還し、私の部屋に来い」
「かしこまりました。今すぐ向かいます」
「待っている」
すぐに通信は切れて、ムシュマッヘはウシュムガルに声を掛けた。
「ウシュムガル、少しいいか」
「はい! お姉様」
声を掛けられたウシュムガルはパーッと晴れたような笑顔でムシュマッヘに駆け寄った。
ウシュムガルが近寄ると、その手を引き寄せ、腰に手を回して抱き留めた。
「お、お姉様!?」
突然の愛しき姉の行動にウシュムガルは耳まで真っ赤にして狼狽する。手は行き場を失っており、指をピクピクと動かすばかりだ。
「母様から呼び出しがあった。この場を任せられるか?」
ウシュムガルの耳元で囁くような小さな声で用件を伝える。真っ赤になって狼狽していた彼女も、母様、と言う言葉で正気に戻る。
「はい、お姉様。ウシュムガルにお任せください」
そう言って、ウシュムガルもムシュマッヘの背中に腕を回し抱きしめた。
そして二人は、熱い抱擁と熱烈で煽情的な口づけを交わした。
「ありがとう、行ってくる」
「行ってらっしゃいませ」
頬を染め、ウシュムガルは愛しき姉を見送った。




