01
ティアマトの統治が始まって、半年が流れた。
未だティアマトの統治への反発は存在するものの大部分は受け入れていた。王国も帝国もほぼ問題なく運営が可能なまでに復興が進んでいる。
コンコンコン。
「イシュだ」
「入れ」
帰還後、ティアマトは咲和の使っていた部屋をそのまま自室にした。
「復興の経過報告に来た」
「進捗は?」
「山脈の東側はほぼ完了と言ったところまで来ている。しかし西側が芳しくないな。物資調達のメインが東側にある都合上、山脈を超える必要がある為に物資の行き来に難があるな。元は鉄道が通っていたがそれも今は使えない状態だ。鉄道の再開を目指すこともできるが、そうすると他の進捗に影響が出る」
「転移の魔術陣の活用はどうなっている?」
「大部分の人間は問題なく使用することが出来ているが、一部の人間は使うこと自体を忌避している節がある。帝国民はそもそも魔術に抵抗のある者が多い上に、それが獣の物となると、よりな」
ティアマトを前にしてもイシュは普段通りに言葉を紡ぐ。変に繕うこともなく、自身の思ったこと感じたことを表現する。
「そうか……。テツドウとやらが何かはわからないが、それがあれば西側の復興はどれほど短縮できる予定だ?」
「西側だけの話をするならば、半年は短縮が可能だ。しかし、そもそも鉄道を再開させるのに相応の時間がかかる。早く見積もっても四ヵ月はかかるだろう」
「半年の短縮……」
顎に手を当ててティアマトは考え込んだ。
「イシュよ、テツドウとは何かを教えてくれ」
「ん? ………構わないが、本があった方が説明がしやすい。取ってくるから少し待ってくれ」
そう言って、イシュは部屋を出て行った。




