表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【改稿版】十一の獣は魔王と共に  作者: 九重楓
第三部 15章 ―――誰でもない、私の願いの為に。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

281/480

04

「コレは一人の女の物語」

 独白のような詠唱は開始された。


「虐げられ、尊厳すら踏みにじられた一人の(ひと)

 遠い過去、元の世界での話。


 魔術陣がその端から姿を変えていく。


「苦痛に塗れた生の中にあって、温かさをくれた唯一(ひと)

 今でも忘れることの出来ない愛しい人。


「新たな家族を得、喜びと愛しさを知った」

 転生した後の「トラウェル・モリス(この世界)」での話。


「愛おしく、尊き家族たちとの日々。そんな尊き者たちと決別し、私は独り、世界を救う(発つ)


 世界を砕く為にゆっくりと巨星は降りてくる。


 瞼を降ろす。

 脳裏には「トラウェル・モリス(この世界)」での日々が流れて行く。


「今ここに、転生者(わたし)は己が願いを享受する!」

 何もない星の海でのナンムとの時間が流れて行く。


 魔術陣の変化が止まる。その姿は一輪の巨大な花だ。

 咲和の躰にも変化が訪れた。「アリシア王国」での意識の喪失を見れば当然の結果だった。しかし、咲和自身はそんな変化など些細なことだと言わんばかりに、最後の一節を詠みあげる。



世界は愛しい人と(ノーン・フィーニス・)共に進んで行く、(ムンドゥス・エト・)それが私の(ペレーヌスフィレ)唯一の願い(・スペース)!」



 咲和が巨星に突き出した手を握り締めた。するとそれと連動するように、巨大な花はその花弁で巨星を閉じ込めたのだ。

 花は閉じ、蕾へと返った。




()()()()()()()


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ