表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【改稿版】十一の獣は魔王と共に  作者: 九重楓
2章 初陣

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/480

04

「「これから頑張る貴女に私達からプレゼントがあるの」」


 二人は、パチン、と指を鳴らした。すると、一本の純白の刀身を持つ長剣が二人の前に現れる。


「「元は母様が所持していた物よ。私達が使う予定だったのだけれど、私達よりも貴女が持っている方が正しいと思うわ。さぁ、手に取ってみなさい」」


 言われるがまま、咲和は純白の長剣を手に取った。


「ん?」


 それは首を傾げるほどに存在感のないものだった。握っているはずなのに手の中には何もないような気さえする。試しに振るってみても重量を感じさせず、よもや振るっている感覚すら薄い。


「「衝怒の絲剣イーラ・フィールムグラディウス。その剣の名よ」」

「…………(いと)?」


 名前を聞いてもピンとこず、首を傾げる。


「「ええ。それは何万何億と言う絲を幾重にも紡いで作られた剣よ。故に、絲剣フィールム・グラディウス」」

「………燃えそうですね」

「「そんな軟な物じゃないわ。炎熱耐性に衝撃耐性、その他様々な耐性を持つ宝剣よ。なんせ、私達の母様の物だから」」

「そっか……そうですよね。母さんの物だもんね」


 欲しかった玩具をもらった子供の様にはしゃぐ。それを表現するように、衝怒の絲剣を円舞でも舞うかのように振るった。


「「喜んでくれて何よりだわ。―――――では、開錠するわよ」」


 二人はそれぞれ片腕を前に出し、パチン、と指を鳴らした。すると、目の前の明らかに人間用ではない巨大な扉は、大きな音を立てながら開いていく。


「「さぁ、サナ。私達の愛しい妹よ。塵蟲どもにわからせてあげなさい。お前たちが侵さんと欲すは、大いなる母の領域であると」」

「はい! 姉さん!」


 扉は開かれ、咲和は湖に浮かぶ城(アルキス・メモリア)を飛び出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ