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元の世界での生活。
人間としての尊厳を踏みにじられ続けた日々。
苦痛に塗れた十五年と言う歳月。
その中にあって、唯一温かさをくれた先生。
それでも咲和は死んだ。
そして、「トラウェル・モリス」にやって来た。
尊き家族たちとの生活。
愛し子として育まれ、魔王として教育を受けた。
時に笑って、時に痛みで顔を歪ませた。
それでも、「湖に浮かぶ城」での生活は咲和にとってかけがえのないものだった。
自分の為に泣いてくれる人がいた。
自分と一緒に笑ってくれる人がいた。
自分のことを家族だと思ってくれる人がいた。
自分のことを愛しいと言ってくれた人がいた。
(この世界に来て、皆に出会えて、それで私は、生きていてよかったと思えたんだ)




