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ムシュマッヘに対して咲和の態度はだいぶ柔らかな物へと変化していた。言語授業や戦闘訓練を経て、一緒に過ごす時間が増えたことで、ムシュマッヘへの警戒心は解かれていった。勿論、他の十一の獣たちに対しても咲和の態度は柔らかいものへと変化している。
今では、咲和は自分と体格の近しい者には砕けたですます調を、大人の女性に見える者には敬語を用いて話している。そして、ラフムとラハムは対しては甘えてすらいる。咲和にとって二人はそう言った人物であり、二人にとっても咲和は甘えさせてあげるべき人物なのだ。
そして、気づかぬ間に、二人の姉と十一の獣との間の溝も浅いものになっていた。それは咲和の働きによるものだ。できる限り二人と十一の獣との間を取り持ち、一緒に食事を取り、時には一緒に遊ぶことさえした。そうした時間を過ごした結果、城には笑顔が多くなっていった。
いうなれば、それは、家族だった。
愛しいと言ってくれた人たちがいて、尊いと思える人たちがいる。
そして、咲和は思うようになる。
ここに、母さんも一緒ならば、と。




