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「そうでしょう? 帝国を滅ぼしたのは他でもない、貴女たちじゃぁあないですかぁあ。それを今更、ココの人間たちを生かしているから優しいと言うのは虫が良すぎるのではぁあ? そんなこと誰が許容すると言うんですか? 否! 誰も許容しませんよ? するはずありませんよぉぉお?」
やはりクサリクの怒りに気が付かないインフェデレスは嘲り続ける。
「許容される必要などない………ただ、私はお前があの優しいお方を化け物呼ばわりしたことが許せないだけ」
「許せ、ない?」
そこでようやくインフェデレスは気が付いた。
自らの冒した過ちに。
怒らせてはいけない者を怒らせた。
起こしてはいけない猛牛を起こしてしまったのだと。
クサリクは魔術陣から何かを引き抜いた。
それは一本の槍だ。禍々しい黒い雷を纏った一本の槍。
魔術陣から螺旋状に階段が現れた。
「ええ。私はお前が許せない」
クサリクは現れた階段を上っていく。一段上がるごとに握った槍は纏う黒い雷を増していく。




