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銀雷が金焔を割るように突き進む。確実にその貫通性が金焔を貫いている。二人の獣はそれを見守る。自らの手を離れた弾丸には誰も手を出せないのだから。
しかし金焔を貫かれているルーナだけはその限りではない。
(負けるわけには、いかねぇんだわ)
金焔へと魔力をより多く注ぐ、躰中にある魔力が涸れてしまうことなど厭わない。
それが愛した女の為ならば、ルーナには自らの躰の崩壊など考える必要さえなかった。
金焔を割いて進む銀雷が軋む。
「ごめんなさい……母さ―――――」
「もうしわけございません………お母さ――――」
銀雷は粉々に砕け散り、金焔は二人の獣を言葉と共に消し去った。
【ふぅ………当分は働きたくねぇな】
パタン、と倒れた。
その姿は既に竜種ではなく、ふわふわの真っ白な一匹の小さな獣だった。
二人の召喚獣は地に伏せながらもその役目を果たした。
二人の獣は消え去り、魔生物は九相の先に果てた。




