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【改稿版】十一の獣は魔王と共に  作者: 九重楓
1章 召喚

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15

(広い……)


 辿り着いたそこは、地下と言うには余りにも広い空間だった。

 天井は見えないほど高く、奥行きは闇が覆っていて全く把握できない。その中から何かが襲って来ても不思議ではないほどだ。床は砂地になっていて、どこからか吹く風に粒子の細かい砂が流される。


「では、始めましょう。因みに、魔術を見聞きしたご経験は?」

「……ない、です」

「かしこまりました。では、基本からお教えしましょう――」


 クサリクはニコリと笑んで、説明を始めた。



 魔術とは自身の保有する魔力を用いて行う神秘の総称である。それは例えば、炎を生み出したり、水を操ったり、雷撃を放ったり、身体能力を強化したり、モノを浮かせたり、別の場所に転移させたり、何かを召喚したり。用途はさまざまである。魔術にはランクがあり、最低ランクEから最大ランクのEXまで六ランクがある。


 魔術には適性があり、魔力を保有していても適性がなければ扱うことはできない。また、適性があっても、その適正が低ければ低位の魔術しか扱うことはできない。


 魔術には必ず、魔術陣と呼ばれるサークルと詠唱と呼ばれる祝詞が必要になる。それは扱う魔術によってすべて異なる。


 魔力保有量の少ないものは、魔術陣をあらかじめ記した場所や道具を使用して魔術を発動させるが、魔力保有量の多いものは、自身の魔力を用いてその場で魔術陣を描くことが多い。クサリクも自身の魔力を用いて魔術陣を描く。


 魔術陣を描くことも魔術と言われることがあるが、これは単に、指先を絵筆、魔力をインクにして描いているだけで、魔術ではない。ただ、描くスピードが速すぎる故に、魔術に疎いものが見れば魔術に間違われることがあるだけだ。




「基礎知識はこんなところです。では、まずは魔術陣の形成からやっていきましょうか」


 クサリクはバスケットの中から、複雑な模様の描かれた水晶と紙を取り出した。

 こうして、クサリクによる魔術訓練は開始された。

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