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「貴方はどうしますか?」
クリミナトレスの前へ移動して咲和は問う。彼の頬には既にハートの痣はない。
「どうするも何も………自分では貴女には敵わないのだから」
そう言って、銃剣の刃を首へと押し当てる。
「そう、ですか………私には貴方の行為を止める道理も権利もありません」
踵を返す。
「貴女はお優しい………きっと、これまでに様々な苦悩があったことでしょう。さようなら、「魔王」、小さき少女よ。ご武運を」
小さな祈りを受け、白金の髪を靡かせながら咲和は色鮮やかな「エ・テメン・アン・キ」を見上げた。




