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【改稿版】十一の獣は魔王と共に  作者: 九重楓
第三部 4章 「偽・十一の獣」―1

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08

「貴方はどうしますか?」


 クリミナトレスの前へ移動して咲和は問う。彼の頬には既にハートの痣はない。


「どうするも何も………自分では貴女には敵わないのだから」


 そう言って、銃剣の刃を首へと押し当てる。


「そう、ですか………私には貴方の行為を止める道理も権利もありません」


 踵を返す。


「貴女はお優しい………きっと、これまでに様々な苦悩があったことでしょう。さようなら、「魔王(キングゥ)」、小さき少女よ。ご武運を」


 小さな祈りを受け、白金の髪を靡かせながら咲和は色鮮やかな「エ・テメン・アン・キ」を見上げた。

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