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(確実に刎ねたはず………幻術の類? もしくは――――あまり、考えたくはありませんね)
「オレは死なない。死ぬはずがない」
耳を塞ぎたくなるような異音と共に斬り落とした腕が再生する。
「まったく、困っ―――――」
そこで咲和は今更なことに気が付いた。
(―――街の人たちは?)
辺りを見渡す。住人たちは皆が皆、家の中から咲和たちの様子を窺っていた。誰も出てこようとはしない。「バビロン」に辿り着くまでの抵抗が嘘のようだ。
しかし、それも咲和には都合のいい事だった。
「ふぅ、巻き込む心配はなさそうですね。では、徹底的に!」
瞬きさえも許さぬ間にアエリアエの背後へと移動した。そしてその速度そのままに、首を斬り落とす。
「―――ッ!」
間違いなく首は斬り落とされた。しかしアエリアエの身体は咲和へと反撃した。回し蹴りを両腕で受けて数歩よろめいた。
(これは間違いない――――――不死か)
十一の獣で唯一、六女、ラハブだけが疑似的な不死性があった。
自らを「偽・十一の獣」と名乗った彼らは、それぞれが対応した十一の獣に似た性能を持っているだろう。と、咲和は推測した。
「いやはや、ラハブちゃんと似ているってことですか―――――こんなに脆くはありませんけどね!」
瞬間、アエリアエの身体をバラバラに刻んだ。
肉片になり、それでも蠢く。そして、すぐに集まり元の肉体へと再生した。
再生の完了したアエリアエは止まることなく即座に咲和へと攻撃する。それは自分の身体の損傷を厭わない、不死者だからこその戦闘スタイルだった。
何度切り裂かれようと、何度斬り落とされようと、それでも止むことなく攻撃を続ける。
(このままじゃ埒が明かない)
打開策は思いつかず、攻撃を避けては斬る、の繰り返しだ。




