01
「何者ですか―――――と問うには、情報は既にもらっていますね。貴方たちは教皇の使いですね?」
三人の獣を前に咲和は口を開く。
「使い? フリたちはお前らを殺しに来たんですけどぉお?」
ゴシックドレスの少年――フリアエが手を頬に当てて、嘲るように言う。
「オレは母さんに言われて来た」
腰布の少年――アエリアエは自分の意思などない様に他人行儀に言う。
「自分たちは母さんの言葉を受け、貴女たちの侵攻を阻みに来た」
着物の青年――クリミナトレスは心苦しそうに言葉を紡ぐ。
「そう、ですか。では―――――――――――――――――――払い除ける」
衝怒の絲剣を引き抜き、三人の間を駆け抜けた。それは目にも止まらぬ速度。刹那の出来事だ。三人は反応することが出来ず、一瞬咲和を見失った。
初めに反応し、その手に持った改造の施された二丁の銃剣を咲和に向けたのはクリミナトレスだった。それに遅れて二人の獣も振り返る。
「――――ッ、魔王、これほど……」
「痛っっっっっっった! あり得ないあり得ないあり得ないですけどぉ! 服破られたぁ!」
「………速い」
三者三様の反応を見せる。
(硬い……バラバラにするはずだったのに、薄皮一枚を裂いただけ………骨が折れますね)




