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【改稿版】十一の獣は魔王と共に  作者: 九重楓
第三部 2章 出陣

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05

 宣戦布告から一週間。


「サナ様、いらっしゃいますか?」


 自室にて魔術書を広げていると、バシュムの声がドア越しに聞こえた。


「はい、どうぞ」

「失礼いたします」


 バシュムが入ってきて、小さく礼をする。

 魔術書を閉じて咲和も立ち上がる。その前にバシュムが傅いた。


「貴女がココに来たと言うことは………」

「………はい。湖の対岸にて敵影を確認いたしました」


 顔を上げることなく、バシュムは言葉を紡ぐ。


「その数、無数。そして―――――――――――――――――人間ではありません」

「え?」


 思わず零れた。


「敵影はその全てが、獣のそれでした。中には二足で立つ者もありました」

「二足………ヒト型…………」

「その通りでございます。ヒト型や、その他にも翼を持つ者、水を泳ぐ者など多種多様。しかして、一様に人類種ではありません」


 バシュムはやはり顔を上げることない。そして咲和も言葉を紡げないでいた。


「現状、クサリク姉さんが魔術を以て侵攻を阻んでおります」

「そう、ですか………では、皆に入口に集合するように伝えてください」

「かしこまりました。サナ様」

「なんですか?」

「無理だけは、なさらないでください」


 その言葉を最後に、バシュムは部屋を後にした。


「…………まったく、敵いませんね」


 そう零した咲和はその場に崩れ落ちた。

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