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【改稿版】十一の獣は魔王と共に  作者: 九重楓
第三部 1章 準備

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02

 初めに咲和が訪れたのはラフムとラハムの部屋だった。

 咲和が部屋を訪れると、二人の姉はにこやかに招き入れてベッドへと促した。


「「どうしたの?」」

「姉さんに聞きたことがありまして。これなんですが――――」


 先ほど部屋で書き起こした十一の獣(かぞく)たちの能力についてのメモを二人の姉に渡す。

 二人の姉はソレを見て少しだけ考えるそぶりを見せた。そして小さく息を吐いて口を開く。


「「あの子たちのことは書いてあるけれど、私達のことが書いてないわね。また、私達はお留守番かしら?」」

「…………はい。姉さんには十一の獣(かぞく)の帰る家を護ってもらいます……」

「「そう。貴女がそう言うのなら、私達はそれに従うわ。貴女がこの湖に浮かぶ城(アルキス・メモリア)の主であり、「|フィクティ・ムンドゥス《この世界》」の王なのだから」」


 二人の姉は挟む様に咲和を抱きしめる。


「「大丈夫、貴女ならきっと為せるわ。私達の愛しい妹で、母様の唯一の子なのだから」」


 二人の姉に抱きしめられながら、咲和は遠き過去に思いを馳せる。それは訪れることのない幻想(あした)。消えることのない可能性(ゆめ)だった。

 

 しかし、咲和にはそんなものは既に必要なかった。

 

 何故なら、彼女に必要なものは愛しき家族たちだけだったのだから。

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