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ムンムによる宣戦布告を受けて、咲和は素早く対応を開始した。
まず、法国の襲撃を考えて、湖に浮かぶ城に残る者たちの選定を始めた。籠城戦、もとい迎撃戦に強い者たちを残し、自らは法国へと赴くためだ。
部屋に籠り、十一の獣たちの能力を紙に描き出していった。
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・スキルに因って腐食性の毒を広域に発生させることが出来る。その攻撃特性から一対多の戦闘において真価を発揮する
・自身の全ての攻撃に炎を纏わせることが出来る。竜の姿に変化することが出来る為、狭い場所での戦闘は向かない。
・基本的には一対一の戦闘に向くが相手が雑兵の場合はその限りではない。指揮権を持つ者と同じ戦場にいると能力が上昇する
・一人では一対一に向いており、多人数戦闘には向かない。しかしウム・ダブルチュと組み合わせることで一対多、若しくは多対多の戦闘も可能となる。指揮者に対しては従順
・一人では一体一に向いており、多人数戦闘には向かない。しかしウリディンムと組み合わせることで一体多、若しくは多対多戦闘も可能となる。指揮者に対しては従順。
・単体での戦闘能力は十一の獣たちの中でも群を抜いている。しかしその戦闘能力からか指揮に対しておざなりになりがち
・戦闘能力は低い。しかしそのスキルは籠城戦においてかなり有用に働くだろう。
・一対多戦に置いてその能力を発揮できる。魔術師としては母さんと肩を並べることも可能だろう。それ故に籠城戦には向かないだろう。彼女は優しいから。
・一対一での戦闘には事欠かないだろう。しかし所有スキルが特殊なものの為、他の十一の獣たちの意見を聞きたい
・一対一たいしてはラハブに次ぐ能力を発揮するだろう。多人数戦闘を想定する籠城戦には不向きだろう
・戦闘能力は他の十一の獣たちに比べて低い。しかし所有スキルの使用に因っては戦闘をこなすことも可能になる。その場合、対象を誰とするか……
書き出してみたものの、それだけで結果が出るほど十一の獣たちの能力は単純ではなかった。
(肩を並べて戦う機会はありませんでしたからね………困りました)
そこで湖に浮かぶ城に住む者に意見を募ることにした。




