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【改稿版】十一の獣は魔王と共に  作者: 九重楓
第二部 11章 帰還

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06

 咲和に目覚めてから初めての一人の時間が訪れた。


 ベッドから抜け出し、窓を開けて風を入れた。湿り気のある夜風が肌を撫でる。見上げれば、深い霧の向こう側から青白い月影が静かに降り注いでいる。


「…………ただいま」


 誰に言うでもなく小さく溢した。

 

 あの部屋で最後に聞いた彼女(せんせい)の声は、何も言えなくなるほど、穏やかなものだった。ただ真摯に咲和のことを思っていた。その温かさにコチラでの生活が溶けてしまいそうだった。

 でも、咲和はその温かさを振り切って帰ってきた。

 後悔などしていない。

 するはずもない。


 「トラウェル・モリス(この世界)」には二人の姉と十一の獣、イシュやシュガル、捕虜となった人間たちがいる。咲和にとってその誰もが、今ではかけがえのない大切な家族だ。

 そんな家族たちの待つ場所に帰ってきたのだ。

 後悔などするはずもない。


 でも、ただ少し。


 ほんの少しだけ、


 あのぬくもりを感じていたかった、


 ただそれだけだ。

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