表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【改稿版】十一の獣は魔王と共に  作者: 九重楓
1章 召喚

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/480

09

 着替えが終わって、ベルを鳴らす。小気味良い音が部屋に響く。そして、すぐに扉をノックされた。


「サナ様、クサリクが参りました」


 その声は、十一の獣が八女、クサリクの物だ。


「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」


 呼び掛けに、咲和は頭を抱えてしゃがみ込む。


「サナ様? いらっしゃいませんか?」


 二度目の呼び掛けで自分が呼んだことを思い出し、はっと顔を上げた。


「あ、え………」


 駆け寄って扉を開ける。廊下に出ると、クサリクが心配そうに眉を傾けていた。



 黄金色のロングストレートヘアで、側頭部からは牛のような青色の角が生えている。翡翠色の宝石のような瞳の釣り目で、黒いローブを羽織っている。その中はラハブと同様の白いワンピースドレスだ。角や翡翠色の瞳もさることながら、その身長は二メートル近い。成人男性を超える身長だが、咲和に与える印象は決して威圧的なものではなかった。老齢の巨獣のような包容力と静けさが感じられた。



「いらっしゃいましたか。どうぞ、何なりと」


 一度、晴れるような安堵の表情を浮かべて、クサリクは傅く。


「あ、え、あ…………」


 ラフムとラハムに呼べと言われたから呼んだだけであって、特別何か用があったわけではない咲和は困惑する。しかし、ココでは自分のことを皆が王だと思っている。


「「着替えが終わった様ね。良く似合っているわ」」


 廊下の奥から現れたラフムとラハムの言葉に咲和とクサリクは視線を向ける。


「お二人がサナ様を?」

「「そうよ、クサリク。もう下がっていいわ」」

「………かしこまりました。では、失礼いたします」


 立ち上がり、深い礼をしてクサリクは立ち去った。


「「では、行きましょうか」」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ