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【改稿版】十一の獣は魔王と共に  作者: 九重楓
1章 召喚

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08

(質素? コレが?)


 今一度自分の服装を確認した。


 生前では着たことなどなかった、シンプルな黒いワンピースに身を包んでいる。咲和自身こんなものを着ることになるなんて夢にも思わなかった。しかし、今はそれを着ているし、それを質素と言われてしまった。確かに、他の者の着ているドレスに比べれば、質素に当たるのかもしれない。


 ムシュマッヘの着ていた漆黒のドレスもシンプルではあるが、それの糸は光沢があり艶やかだった。きっと最上級の物が使われているのだろう。ウシュムガルの着るゴシックドレスはドールの着るような華やかさがあったし、ウガルルムの着るバーテン服も一見して奉仕服としては一級品だった。他の者が着ている物も、少なくとも咲和の着るワンピースよりは、華やかで一級品揃いだ。


 思案を終わらせて、巨大なクローゼットの前に立つ。今までの自分には無縁の代物だ。


「………すごい」


 思わず独り言ちた。クローゼットの中は過剰なほどに衣装が詰め込まれていた。その上、どれもが咲和のサイズにピッタリな物だ。

 何着かを見繕い、クローゼットの横にあった姿見の前で体にあてがってみた。しかし、どれもが華やか過ぎて、自分には合っていないような気がした。


(学校の制服みたいなものがあれば……)


 と探してみるも、そんなものはあるはずもない。


 結局、元着ていたワンピースに似た、黒のワンピースドレスにすることにした。腰に大きな黒いリボンが付いているが、こればかりは仕方がなかった。先のワンピースで質素と言われてしまったのだから、リボンを外して着替え直しと言われるのはあまりにも馬鹿らしい。

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