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どこでもない星の海より飛び立ち、「アリシア王国」に戻った咲和は、無垢なる獣の姿を探した。しかし彼の姿はどこにもない。咲和は不安定な足取りで彼の作ったクレーターを出ていく。
(彼の言葉………それで…………)
何も思い出せなかった。なぜ彼がいないのか。この焼け焦げた服はどういうことなのか。
しかし、彼の言葉だけが心にこびり付いている。どれだけ拭っても取れないそれは、深く深くに根を下ろしたカビの様だ。
『お前は、一人、違う時代を生きた。おれと同じ。お前は、魔王じゃない』
街を歩き、彼女は考える。彼の言葉の真意とは何だったのかを。




