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【改稿版】十一の獣は魔王と共に  作者: 九重楓
第二部 6章 黒いシミ

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129/480

03

「ごめんなさい? 悪い? お前? 悪い?」

 無垢なる(ベースティアエ・)(ルナティクス)は首を傾げ、ケタケタと笑う。何故咲和が謝っているのかも知らぬまま、ケタケタと笑い続ける。

「じゃ、じゃぁあ、死んでもいい? 悪いのは、殺してもいい? そうだったっけけけけ?」

 二つに割かれた右腕をそのままに、一歩前に出た。

 咲和は蹲ったまま動かない。


「アハハハハハハハハハハ。お母さんが、お母さんが、喜ぶ? 喜んでくれるるるる?」

 笑いながら、血を流しながら、彼女を見下ろし右腕を振り上げる。

「褒められれられる? 褒められるるるるるるるるる?」

 叫びながら右腕は振り降りされた。

「なんで私が………なんで? ねぇ、なんで?」

 咲和は振り下ろされた右腕を絲剣で受け止めていた。

 彼女の言葉が理解できず彼は首を傾げる。

「私は悪くない………私は何もしてないのに…………なんで?」

 衝怒の絲剣で受け止めていた右腕を弾いて、そのまま右腕を斬り飛ばした。

「イタイイタイイタイイタイイタイイタイ」

 ケタケタケタケタと彼は笑う。掴み掛ろうと左腕を伸ばした。

「ねぇ……なんで?」

 伸ばされた左腕も咲和によって斬り落とされる。

「イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ」

 叫びながら彼は大きく後ろに跳んだ。その顔に笑みはない。

 彼は痛みが楽しみに繋がっていないことを理解し始めた。


「イタイ、イヤァァァァァァァァアアアアアアアアッ」

 彼の両腕の断面に魔術陣が現れる。魔術陣によって止血され、耳覆いたくなるほどの異音と共に両腕は再生した。

 グルグルと回っていた目の焦点が定まっていく。

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