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織田との決戦にむけて

天正二年(1574年)二月

籾井城周辺には尼子軍、波多野軍が揃っていた。

「殿、遅くなり申し訳ありません」

尼子軍最強の具教も一万を率いて合流した。


籾井城の大広間には多くの者が集まった。

尼子軍


尼子義久、宇山久兼、北畠具教、多胡重盛、

島左近、藤堂高虎、三村元親、本城春政、遠藤俊通、遠藤秀清、杉谷善住坊、鉢屋久経、秋上久家、山中幸盛、百地正永、藤林正保


波多野軍

波多野秀治、籾井教業、赤井直正、荒木氏綱


である。


「それでは評定を始める!」

義久の宣言から評定が始まった。

「まず忍衆、情報を報告せよ」

正永が前に来て説明を始めた。


「まず織田軍の戦力ですが...」

正永は義久にした報告と同じ事を伝えた。


織田信長 三万

滝川一益 二万

丹羽長秀 一万五千

明智光秀、細川藤孝 一万五千

織田信雄、北畠具房 二万

計十万


この報告に皆の反応は様々だった。

多胡重盛や久家、幸盛など敗北した者は驚いた後、仕方がなかったと呟いたりしていた。


具教は息子が来ていることに

「あの馬鹿は織田の家臣になったのか!もはや息子ではないわ!」

と激怒した。


「具教、少し落ち着け...正永続けてくれ」

「はい。織田軍は上杉、武田とは朝廷を使い二年の不可侵を結んだことが分かりました。これにより織田家のほぼ全ての戦力がここに集まることになります。」


「今こちらに向かってる軍は分かるか?」

「恐らくですが、石山本願寺と有岡城を囲んでいる部隊以外は全てかと...」

俺は聞いて考えた。織田は尼子と決戦をするつもりだと...。


そんな中、小姓が慌ててやってきた。

「も、申し上げます!織田家の荒木村重がやって来ました!」

それを聞いて皆驚いた。


「ここに連れてこい」

そう言って連れてきた。


「お初にお目にかかります、荒木村重にございます。此度は...」

「挨拶は無用だ。何しに来た?織田に反乱した時いた有岡城はどうした?」

俺が威圧して聞くと村重は怯えながら答えた。


「有岡城は落ちました。生き残りは私達だけです」

それを聞いて俺は直ぐに指示を出した。


「正保。直ぐに忍衆の中でも足の早い者を選び、常光と秀久に、援軍を連れてくるように伝えよ!全軍で来いとな。それと毛利隆元殿に援軍要請をしてきてくれ」

「かしこまりました」

正保は、直ぐに向かった。


「村重、そなたはこれからどうする?」

「願わくば配下に加えていただきたく存じます」

「分かった。末席に加えよう。そこに座っておけ」


「ははぁ、ありがたき幸せにございます」

そう言って末席に座った。


「さて、中断したが、正永続けてくれ」

そう言って進めさせた。

「はい、それでは続けます」


正永は陣地構成について説明していった。それを聞いていたが、勝久が関わっていることが分かった。


「敵は抱え大筒か大筒があるな。此度の戦にテストゥドは使えんな」

俺はどうやって攻めるか考えていた。


「殿、我ら大筒隊の加農砲(カノン砲)の使用許可をお願いします」

遠藤秀清は改良した新型の大砲を使いたかった。


「安心しろ。嫌でも使わなければならん」

「しかし殿、あれを使うには陣地を作らねばなりません」


「秀清、十八町(約二㎞)までなら行けたよな?」

「はい。その距離なら問題なく届きます」


「なら、半分の距離なら確実に当てられるか?」

「勿論です!あれだけ訓練させてもらいましたので絶対に当てて見せます!」

秀清は、自信満々に答えた。


「では、大筒隊は三つに分かれて陣地を作れ」

「ははぁ!」


「先陣は...」

「恐れながら殿、我らにお願いします」

そう言って出てきたのは重盛、久家、幸盛の三人だった。


「此度は我らが落とせなかったのが原因でございます。何卒、挽回する機会を下さい!」

そう言って重盛達は頭を下げた。


「殿、よろしいのではないですか?」

久兼は賛成する。

「分かった、三人に任せる」

「ははぁ!!」


「では、我らは軍を三つに分ける」

そう言って今いる軍を分けた。


中央(本陣)

尼子義久 島左近 藤堂高虎、遠藤俊通、遠藤秀清、多胡重盛、秋上久家、山中幸盛

常備兵四万千

鬼兵隊 五千

鉄砲隊 一万三千

大筒隊 千人

幸盛私兵 三千

計六万三千


右翼

北畠具教、宇山久兼、

常備兵 一万五千

鬼神隊 一万

大筒隊 千

計二万六千


左翼

鉢屋久経、杉谷善住坊、三村元親、本城春政

常備兵 二万

狙撃隊 千

大筒隊 千

波多野秀治、籾井教業、赤井直正、荒木氏綱

兵 八千

計三万


総勢十一万九千

となった。


それから数日が経ったが互いに陣地を作っていた。

そんな中、織田軍に柴田勝家、二万と羽柴秀吉、一万五千が合流したと報告が来た。

これにより、織田軍十三万を越えた。


「これで、いつ攻めてくるか分からないな...」

「しかし、敵は陣地を作っております。恐らく、完成までは来ないかと」

左近はまだ来ないと思っていた。


織田陣地は塹壕まで作り始めたらしい。

「勝久は全ての情報を流したな...必ず仕留めなければならん」

正直生かしておきたかったがそうはいかなくなった。


天正二年(1574年)三月

こちらも援軍が届いた。

本城常光 一万五千

尼子秀久 五千

毛利軍、一万五千

毛利軍を率いてきたのは吉川元春、国司元相だった。

俺は直ぐに再編成をした、



中央(本陣)

尼子義久、島左近、藤堂高虎、遠藤俊通、遠藤秀清、吉川元春、国司元相

常備兵 二万五千

鬼兵隊 五千

鉄砲隊 一万三千

大筒隊 千人

毛利軍 一万五千

計五万九千


右翼

北畠具教、宇山久兼、多胡重盛、秋上久家、山中幸盛

常備兵 二万八千

鬼神隊 一万

大筒隊 千

幸盛私兵 三千

計四万二千


左翼

鉢屋久経、杉谷善住坊、三村元親、本城春政、本城常光、尼子秀久

常備兵 四万

狙撃隊 千

大筒隊 千

波多野秀治、籾井教業、赤井直正、荒木氏綱

兵 八千

計五万


総勢十五万一千

がここに揃った。


各陣地の大将と副官は

中央大将尼子義久 副将 島左近

右翼大将北畠具教 副将 宇山久兼

左翼大将本城常光 副将 波多野秀治


「今、尼子が出せるものは全て出しきったな...」

牛尾久信と宇喜多直家は軍の再編中で完了次第来ることになっている。


倫久と中井久家は丹後の守りに付いている。


俺が考えていると

「殿、吉川元春殿と国司元相殿が来られました」

「兄者の命で来たが我らに指図できると思うな..」

元春は相変わらず怖い殺気を放っている。


「元春殿、最初だけは突っ込まないで下さい。味方の攻撃に巻き込まれます」

元春は詰め寄ってきたが


「元春殿、ここは指示に従いましょう。隆元様にも、そう言われたではないですか」

「ふん!」

そう言うと元春は出ていった。


「元相殿、最初はこちらから砲撃を行います。その後多胡重盛達が突撃します。それが戦の合図です」


「分かりました。毛利は当分見ておきましょう」

そう言って国司も出ていった。

刻々と決戦が近づいてきた。

※この作品では、加農砲については後装填砲に施条が施された大筒と思ってください

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