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久しぶりの再開 と茶会

尼子側陣営

皆を集めてどうするか相談していた。

「ここは使者を送り確かめてはいかがですか?」

「いや、ここは尼子の力を天下に示す為に蹴散らしましょう!」

「向こうの動きがないのが分からないですな」

「さよう、呼び出しておいて軍勢を置いておくとは」

「戦になれば多くの死者が出ます。ここはやはり、使いを出すべきです」

と決戦か使いかで、割れた。

そんな中、織田から使者が参ったと連絡が来た。

来たのは、細川藤孝殿と松永久秀殿だった。

俺はすぐに招き入れた。

二人は来ると

「幕府からの使者として参りました。細川藤孝にございます」

「織田家の使者として参りました。松永久秀と申します。どうぞ、お見知りおきを」

と挨拶をした。


皆の反応は分かりやすく面白かった。

藤孝殿の時は、幕府の使者と言ったので嫌な顔や殺気を出していたが、久秀の時は、この者がって感じで興味津々だった。久秀のことは日頃から言っていたせいであろう。

俺はわざと、藤孝を放置して久秀に話しかけた。


「久秀殿!お元気そうで何よりですな~。手紙ではやり取りしておりますが姿を見て安心しましたぞ~」

久秀は何かを察したらしくニヤリと笑い


「義久殿もお元気そうでなによりだ。手紙と贈り物はいつもありがたい。此度は上洛の為であろうがよければまた茶を用意しましょう。残念ながら九十九髪茄子は無いがな」


と久秀も、藤孝がいない振りをして話す。

「義久殿此度は...」

と藤孝は言いかけるが


「松永殿の茶ですか~。いいですな、是非ともまた飲みたいものです」

と言葉を遮り無視をした。


「しかし、まぁ~こんなにもの常備兵を揃えましたな~」

「金はかかりますが戦の時には頼りになる兵士達ですよ」

と常備兵に、ついて話をした。


「私のところでも始めましたが、いや、金がかかるので今は千人が限界です」


少しの間久秀と話をして藤孝を放置していたが流石に怒ってきた。


「義久殿!ここには私も使者としているのです!わざと知らぬふりをしないでいただきたい!松永殿もです!!」


「いや~藤孝殿、話に夢中になり忘れておりました」

久秀は一切悪意がない風に言った。

もちろん俺もだ。


「藤孝殿、すまんな、つい夢中になりすぎた」


表面上は悪意は無いようにしているが実際は悪意の塊だ。もちろん藤孝はそんな事わかっていた。

藤孝は諦めて、話を続けた。

「幕府としては織田と尼子の不戦の盟約を結んでもらいたい。」

「詳しい内容は?」

「織田家と尼子家による不戦。期間は三年」

俺は対織田を考えてもいたので条件を付けることにした。

「条件を付けたい。こちらからの条件はどんな事情があれ我が同盟国への攻撃、侵攻、わが領地への関与をした場合即時盟約破棄とする。後、幕府の仲裁ではなく、幕府、織田家と直接結ぶこと。盟約には織田信長殿かその倅の信忠のどちらかが直接来て署名する事、これが条件だ」

これなら、幕府が無くなっても効力はあるし、裏切れば幕府の面目は潰される...まぁ、それだけではないがな...。

藤孝は幕府を巻き込んで仮に織田が破れば幕府自体面目が潰れることに嫌な顔をし、隣で久秀はゲラゲラ腹を抱えて笑っていた。

「ハハハ、よもやそこまで幕府を嫌っておるとは..ハハハ」

「石見の一件は誰一人忘れてはいませんからな...」

と、周りを見る。皆うなずいている。

「公方様のせいで私がどんなに苦労することか...」

と藤孝はため息をついていた。

「それで、条件は飲めますか?」

「分かりました。それでいいでしょう」

藤孝はもう投げやりになっていた。

「さて、それでは、盟約の話は済んだので茶でも飲みませんか?」

と二人に言ったが驚いていた。

「茶道具があるのですか?」

藤孝は聞いた。

「ええ、一応持ってきてますのでありますよ...あれもね」

と言うと久秀は驚いた。

「あれを持ってきたのですか!絶対に信長には見せてはいけませんぞ!奪われます!!」

と久秀は、必死だった。

「久秀殿、何をそんなに慌ててるのですか?」

藤孝は不思議に思ったがこの後、驚くのであった。

「とりあえず、茶にしましょう。久秀殿、頼めますかね?」

「喜んで入れましょう。藤孝殿も如何かな?」

と久秀は落ち込んでいる藤孝に声をかけた。

「私も頂きます」

その茶席で藤孝は驚いた。義久の手に長慶が持っていた曜変天目茶碗を持っていたからだ。

「なぜそれを持ってるのですか!!」

藤孝は驚き立ち上がった。久秀が焦っていた理由がよく分かったからだ。

「亡き長慶殿の形見です」

「義久殿、決して見せてはいけませんよ」

茶人として藤孝も、久秀に同意した。

少しの間三人でのんびりとお茶をした。


一方その頃織田側では。

「まだ戻らんのか」

勝家は苛立っていた。

「交渉が難航しているのでしょうか?」

「もしや、すでに殺されてるのでは?」

秀吉は殺されていて進軍する準備をしていると考えた。

「それはないだろう。殺してるなら攻めてきてるはずです」

光秀は冷静に分析していた。

家康は正信と半蔵と三人で尼子軍を見ていた。

「我らも、あれだけの軍を用意してみたいものだな」

家康は心底そう思った。

「尼子は貿易と内政に力を入れておるそうです」

隣にいる正信が言う。

「尼子との繋がりを作りたいものよな」

「殿、織田家臣の前では...」

「分かっておる。決して言わぬわ」

家康は尼子がどうやってここまで大きくなったか気になって仕方なかった。自分もいつかはこれだけの数の兵士を率いてみたいと思いを寄せていた。


しばらくすると二人とも戻ってきた。

「戻るのが遅かったが何があった!!失敗したのか!」

勝家は戻った二人に詰め寄った。

「いえ、交渉は問題なく終わりましたよ。条件はつきましたが」

と条件を説明していく。

「信忠様に来て頂くしかないな」

勝家はため息をつきながらそう言うと

「確かに、信長様はまだ療養中ですからね」

と詳しいことを知らない光秀達は仕方ないと思っていた。

数日後、信忠がやって来て、二人で署名をした。

四月中旬

織田、徳川軍と共にやっと京に入った。

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