兵器開発と貧困対策、水軍..どこ?
永禄七年(1564年)八月
密貿易をしてるのでそれなりに輸入品が入ってくるが武器関連は中々手に入らない。
「久信、南蛮人から石火矢を一つ購入してきてくれ」
と無理難題を押し付けた。
「...殿予算はどれくらいですか?」
と聞いてきたので銀千貫分と三千貫と伝えた。流石に驚いていたがそれ以上言わずにやってくれるようだった。
さて、鉄砲鍛治師達を集めてまた作って貰うか。ということで集まってもらった。
「皆に集まってもらったのはこれを作って貰いたい」と抱大筒の絵を見せた。すると鍛治師の一人が
「殿様、これなら既に試作品の様なものがありますよ」
と、爆弾発言をして来た。
...俺は一瞬固まったが何故あるのか聞いた。
すると、「前回殿様は長い距離を撃てる鉄砲を頼まれましたので次は大きくて威力のあるものを求めてくるんじゃないかって皆と話しまして、試しに作っておきました」
...優秀過ぎるだろ..俺は心の中で思った。
早速持ってきてもらった。
俺が考えていたのより大きく太く抱え筒ではなく、置き筒の様なものだった。
試しに撃って貰うと的もろとも壁を撃ち抜いた。
「上出来じゃないか!!」
俺はつい叫んでしまった。
しかし、反動が強すぎて三回撃てば台が壊れるそうだ。
これの量産と抱えて撃てる程度の物の製作を頼んだ。
後、玉を普通の玉と今の弾丸の形をした物も頼んだ。
永禄七年(1564年)九月
収穫の時期だ。
今年は全ての領地で苗代を作り正条植えを行ったので今までとは比べほどにならない豊作だった。年貢は五公五民なので、これなら領民も冬を越せるだろう。
米が作れないとこでは蕎麦も作っている。
今年はサツマイモやジャガイモを手にいれていきたいと思っている。
サツマイモは唐芋としてあるし、ジャガイモは悪魔の植物と呼ばれているので南蛮人に掛け合えば直ぐに手に入ると思った。
これは商人に頼んで手に入れて貰うことにした。
そんななか、一つの疑問が生じた。尼子に水軍ってあるはずだけど見たことないな。
なので、久兼に聞きにいった。
結果、あるにはあるが隠岐為清が引き継いだ隠岐水軍が主力だと言うこと。兵士は漁民を集めてるのみだと言われた。...終わった..と心の中で思った。
「仕方ない、熊谷新右衛門と隠岐為清を呼びだしてくれ」
と小姓に指示をした。
それから数日後
熊谷新右衛門と隠岐為清の二人はやって来た。
「お呼びとのことで参上いたした」
二人は平伏する。
「よく来てくれた。二人に頼みたいのは水軍についてだ。今の戦力はどれくらいか」
そう言うと、為清は
「はぁ、関船求めて四つ、小早船六十ほどにございます」...少な!!
「よく、それで守れてたな...」と言うと
「昔はまだあったそうなのですが、戦で燃えたと聞いています」と答えた。
「水軍だが、安宅船四、関船十五、小早船百にしてくれ」と言うと驚いていた。
「殿、それだけの資金は隠岐にはございません。兵士になるものもです」
と為清は言ってきた。
「資金は私が出す。兵士は内陸から集める。尼子水軍として私の直轄にするつもりだ。頭は新右衛門、そなたに任す」
「ははぁ!必ずや精強な水軍に致します」
「為清、その為の水練、頼んだぞ」
為清「ははぁ!」
あ、忘れてた。
「後、安宅船と関船は薄い鉄板を貼り火や鉄砲に強い船にしてくれ。これは最重要機密として隠岐のみで作れ。また、決して他国に見つかるな」俺が言うと。
「難しいですが鍛治師達と相談してみます」と為清は気合いは十分だった。
「信長より先に鉄甲船を作ってやる... 」
俺は一人ニヤリと笑うのであった。
二ヶ月後
俺は募集した水軍の兵士四千人を為清と新右エ門に託した。これで数年後には水軍ができるだろう。
商人から唐芋と悪魔の植物を手にいれることに成功した。この商人はよく珍しい物を持ってきてくれる者だった。俺が探してると聞いたらすぐに持ってきた。
「金衛門、今回は早く持ってきてくれたな!助かるぞ」
俺は商品を持ってきた商人金衛門と会っている。
「いえいえ、欲しい物は出来るだけ揃えるのが私の店の強みですから」
金衛門は主に博多や長崎などで取引をしており南蛮などの商品を多く扱っていた。俺も何度も取引をしている。出雲にも店を作っている。
「そうか、ならまた頼めるか?」
「物によりますが出来るだけ揃えて見せます」
「今回はあまり手に入らないが、燃える水燃える石、と明国の火炎放射器を手にいれてほしい」
燃える水とは石油のことだ。戦国時代には新潟や秋田で見つかっていた。
燃える石は石炭でどこにあるかは分からなかった。
「明国の武器はなんとかなりますが、燃える水と燃える石は私はどんな物か分かりかねます」
「燃える水とは越後や奧羽であったと聞いたことがある。特徴としては臭いが強く、火を着ければ水の上でも広がり燃える物だ。後色は黒っぽいそうだ。燃える石はどこにあるかはよくわからん。」
俺は出来るだけ伝える。
もし手に入れば海上戦で有利になる。
「難しいですがやってみましょう」
金衛門はやってみることにした。
「そうか!それでは頼むぞ」
「ははぁ」
金衛門はすぐに、燃える水と燃える石を探しに行った。
十二月には明国の火炎放射器が届いた。
相変わらずよく揃えてくれる。正直御用商人にしたいくらいだ。
「石油と石炭を持ってきたら話してみるか...」
俺はそう考えていた。
しかし、次に金衛門に会うのは当分先の話になるのであった。
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