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世代交代

永禄七年(1564年)五月

雑賀郷に戻っていた岡吉正が深刻そうな顔で帰って来た。

「何があった?」と聞くと

鈴木佐大夫すずきさだゆう が病で倒れ一時的に雑賀郷がまとまらなくなってきたので、雑賀衆を、全員一時帰還させてほしいと言ってきた。

すぐに重秀を呼び出した。状況を聞くとすぐに帰ると言いだした。連絡役を残して雑賀衆九百人全員が雑賀郷に、帰還した。

「はぁーある意味ギリギリだったな~。毛利と同盟したのが、こんな形で救われるなんて..」


永禄七年(1564年)六月

一門衆 尼子倫久あまこともひさ

相談役、亀井秀綱かめいひでつな

七老中、宇山久兼うやまひさかね牛尾幸清うしおよしきよ佐世清宗させきよむね中井久包なかいひさかね本城常光ほんじょう つねみつ赤穴盛清あかなもりきよ立原久綱たちはら ひさつな

若年寄 宇山久信うやまひさのぶ横道正光よこじまさみつ中井久家なかいひさいえ牛尾久信うしおひさのぶ三刀屋孝扶みとやたかすけ多胡重盛たこしげもり

鉢屋衆 鉢屋弥之三郎

忍び衆(望月兵太夫、百地正永、藤林正保)

歩き巫女頭領(望月千代女)を、集め評定をした。

「今回は他国の情報の共有と秀綱と久包が隠居するとのことで集まってもらった。秀綱後継を誰にするか申せ」

「はっ、私の後継は宇山久兼殿にお願いしたくございます」

「久兼どうだ?やってくれるか?」俺が聞くと

「謹んで拝命いたします」久兼も同意した。これは元々事前に話しており今回はただ形だけだった。

「次に久包、御主の後継は誰とする」

こっちは全く聞いてないので誰を指名するかわからない。中井久家は息子なので呼ばれると思ってるようだ。

「顔に出すぎだろ..」と心の中で思った。

「はっ、それでは若年寄の多胡重盛たこしげもりを、推挙したいと思います」

と頭を下げた。

元々息子以外にと言っていたので俺と秀綱はあまり驚かなかったが他の者は物凄く驚いていた。息子久家なんか鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしてる。

「父上!なぜ私ではないのですか!」

当然久家は言う。

「久家、黙っておれ。一応考えあってのことだと思うが何故、息子ではなく重盛なのだ?」

と一応聞く。

「はっ、始めは我が息子久家に任そうと思いましたがまだまだ未熟ゆえ次席の重盛に任せたいと思いましてございます」

と説明する。ちなみに、若年寄筆頭は宇山久信だ。

「私自身、日々努力し研鑽しております。納得できません!殿からも何か言ってくだされ!」

久家は反発するし、俺に振ってきた。

「御主のそう言うところが未熟なのじゃ!」

と久包は怒る。

「久家、今回の後継については久包に一任しておる」

と俺が言うと完全に萎れてしまった。

「さて、重盛、そなたはどうじゃ?」

と聞くと

「拝命つかまつります。粉骨砕身の思いでやっていく所存です!」

と七老中を受けるのであった。

「久兼、そなたの後継は久信でよいか?」

と聞く「ははぁ」と承諾したので久信も七老中入りを果たした。

これにより、

七老中

牛尾幸清うしおよしきよ佐世清宗させきよむね本城常光ほんじょう つねみつ赤穴盛清あかなもりきよ立原久綱たちはらひさつな宇山久信うやまひさのぶ多胡重盛たこしげもりとなった。筆頭は牛尾幸清になった。

俺は山吹を守りきった本城常光がいいのではと言ったが常光自身が断ったので、次席家老に任命した。

次に若年寄だが、二人抜けたので森脇久仍もりわき ひさのり、と鉢屋久経はちやひさつな の二人を新たに入れた。

若年寄筆頭は横道正光よこじまさみつ、次席に三刀屋孝扶みとやたかすけ とした。


「さて、次に周囲の国の情勢だが忍び衆、報告をしてくれ」

兵太夫「はっ、まず、因幡を追われた山名ですが、但馬に逃げ込み、一色、赤松、浦上と繋がり反撃を試みてるようですが思うように交渉が進んで無い様にございます。」

正永「備中の三村ですが、我らと毛利が同盟したことによりどちらに従属するかで揉めております」

正保「浦上は毛利が我らと同盟を結んだことに苛立ちを隠しておりません。また、重臣宇喜多からこの者達を始末したら家を乗っ取り、従属すると言ってきております」

そう言うと書状を渡してきた。俺は中身を確認すると笑ってしまった。

「殿、如何されましたか?」

と幸清が言ってくるので見せてやったら顔が真っ赤になった。

「ふざけるな!ほとんど浦上の重臣や名のある武将ではないか!!」

怒髪天をつくと言うのはこういうことかと思うくらい怒っている。

「まぁ、それは後回しだな。次、千代女報告を」と言い報告させた。

「はい、まず、三好家ですが長慶殿が、病におかされておるようです。それにより、公方様が三好を討てと檄文を周囲の国に出しているとのことです。」

その報告を聞いてやはり亡くなるのかと思ってしまった。

「秀綱、最後の仕事を頼んでいいか?」

「ははぁ」

「後で文を二つ書く。三好家に行き見舞い品と一緒に持っていき、出来れば長慶殿に渡して来てくれんか?もう一つは松永殿にだ。会えなかったら燃やして構わん」

「わかりました」

「報告を止めてすまない。千代女、続けてくれ」と次の報告をさせる。

「はい。次に織田家ですが領内をまとめるだけで目立った動きはありません。しかし、美濃へ侵攻しようとはしているようです」

織田はまだ進んでないか。

「上杉と武田ですが川中島近くの塩崎城で睨み合っているとのことです」

第五次川中島の戦いの最中か...まぁ、戦は起こらなかったはずだけどな。

「引き続き情報の収集を頼む」

さて、これからどうするかな~。

「倫久、鳥取城の改築はどうか?」

俺が聞くと

「始めたばかりですのでなんとも。五年で山吹城位の城になる予定です」と答えた。

「無理はさせるなよ。統治を始めてまだ日が浅い土地だからな」と言っといた。

当分は皆の説得と兵器開発と内政だな。

次の目標が決まった。


感想などありましたらよろしくお願い致します

誤字報告についてもよろしくお願い致します

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