祝言と元就との会合
永禄七年(1564年)二月
俺と毛利家の毛利秋との祝言が行われた。
凄い殺気だって引き渡しの際、いつ斬りあいになってもおかしくなかった。
元々殺しあった間柄の家が急に結婚なんてなったから仕方ない。
月山富田城
七老中
「此度の同盟は納得できん」
幸清は怒鳴る
「そうだ、勝っていたのに殿は停戦を申された」
宗清も同意する。
「もう少し時間があれば石西を奪還する軍を再編成出来たのに」
常光は石央を固め終わったので石西に向けて進軍する準備をしていた。
「殿は戦をわかっておらぬのではないか!」
盛清も怒鳴っている。
「我らが着く前に交渉にいかれるとは...」
久包はもっと早く着いておけば止めることが出来たのにと後悔していた。
「しかし、なぜ停戦を申し入れたのじゃろうか?」
秀綱も含め皆そこがわからなかった。
「もはや決まってしまったこと...仕方があるまい」
久兼は諦めていた。
「朝廷が入っておらねば裏切って毛利を攻めておるわ!」
幸清が言うと清宗、盛清が同意していた。
このままでは危ないと判断した秀綱が皆を解散させた。
久兼、久包、秀綱
「このままでは尼子は割れてしまう」
秀綱は尼子が割れることを恐れた。
「しかし、三人が言うこともわかります。私だって納得できない」
久兼は尼子が割れることを恐れてはいたが、同盟には納得出来ていなかった。
「筆頭家老の私が止められなかったのが一番の問題だ」
久包は後悔していた。
三村攻めに加わらず、義久様に付いておくべきだったと
「まずは、三人を説得して分裂を阻止しよう。二人とも手伝ってくれ」
秀綱はそう言って頭を下げていた。
「わかりました。そうしましょう」
久包と久兼も、同意した。
永禄七年(1564年)五月
婚姻から三ヶ月
毛利元就から話がしたいと使いが来た。皆、警戒したが、会うことにした。場所は満願寺という寺だった。俺は警戒して五千の兵士と共に向かうことにした。内訳は、常備兵三千人、鉄砲隊二千人の軍だ。護衛に久家と久経、俊通がつくことになった。俊通は部隊の管理を任すことにした。
寺に着くと福原貞俊が待っていた。
案内をしてもらい部屋の前で
「大殿が中でお待ちです」
中では元就と二人の男がいた。
俺と久経と久家が入り、席につく。
「失礼ながらそちらのお二人はどなたですか?」俺が聞くと
「私は児玉就忠と言います。」「私は天野隆重と申します」
と丁寧に教えてくれた。
「私のことはご存じのはずなので二人を紹介します。秋上久家と鉢屋久経といいます」
二人は会釈をした。
「二人とも席を外してくれ」
元就はそう言うと二人は下がった
「お前達も下がってくれ」
と二人に言うと
「二人きりなど危なくないですか?」
と久経が言うが構わんと言って下がってもらった。元就が下がらせた以上、下げなければ甘く見られる。
「これで二人で話ができますね」
と言うと元就が話し出した。
「ここは、御主の曾祖父と最後に話をした所じゃ」
「曾祖父と言うと尼子経久様にございますか?」
元就は頷いた。
「私が生まれてくる前に亡くなったと聞いております」
「尼子経久...儂にとって師の様なものじゃった」
何かを思い出しているようだった。
「戦のやり方、頭の使い方、経久殿を見よう見まねで覚えたものじゃ」
と懐かしそうに話す。
「お主はどこでそのような戦い方を学んだ?」と聞いてきた。
「浦上に敗北してから、自分の未熟さを知って一から学び直したのと秀綱達に昔のことを聞いたりして今の戦い方にしました」
俺は嘘を交えながら答えた。
「謀多きが勝ち少なきが負ける、ゆえに謀略など多く用いる戦いをするように心がけております」
その言葉を言うと元就は少し驚いていた。
「その言葉は経久が最後に言い、教えてもらった言葉だ」
元就はその時のことを思い出していた。
その時はわからなかったが、月山富田城の戦いのとき、その言葉の意味を見せつけられた。それにより、九死に一生を得たと思っていた
しかし、再度同じことになった。
降露坂の戦いで、大友に門司を攻められて、撤退しなければならなくなったがその退路に潜み奇襲を仕掛けて来た。
そして大敗し多くの兵と将を失った。それをしたのが目の前の奴と聞いた時は驚いた。
「やはり、お主を引きずり込んで正解か...」
元就は呟いていた。
「今回は私の失敗です。戦略的に勝っていたのに朝廷に停戦を申し込んでしまった」
俺は秀綱に言われたことを思い出していた。
「猿掛城では負けましたが石見では常光殿が撃ち破り、こちらは小倉山城を取ったのになぜ停戦を結ばれようと思ったのですか!」と
俺は戦を終わらせたかった。それしか考えてなく、今回停戦を希望してしまった。
「私のせいで毛利は救われたのですか...」
「お主のお陰でわしらは同盟することができた。礼を言うぞ」
「この失敗...いつかお返しします」
「同盟を破れば朝敵は免れんぞ」
元就は分かっているかと言ってきた。
「ええ、なのでいつか毛利家をすり潰すまで使い込んでやります」
「ハハハ、それは無理だ!毛利には隆元に元春、隆景がおる。諦めよ」
元就は笑い、俺はため息を吐いた
「人徳の隆元、武勇の元春、知略の隆景、この三人がいる間はあなたが死んでも毛利は落とすことは無理ですね。特に隆元殿の人望の広さには参りました」
俺は猿掛城が隆元の生死不明であれほど粘るとは考えても見なかった。
「さて、毛利はこれからどうされるおつもりか?」
「当分は内政じゃな。お主と大友との戦で領地が滅茶苦茶じゃしな」
と言った。大友とは幕府を通じて和議を結んだらしい。
「浦上と三村に手を出しますがよろしいですかな?」
浦上は毛利と同盟を結んでいた。すでに、やつには接触して内部から崩している。
「浦上は一応同盟国じゃ。表だってしなければ毛利は関与せん」
と、言いきったので裏で色々やることにした。
無事に元就との会談を終え城に戻ると亀井秀綱と中井久包が待っていた。
何事かと思い聞いた。
「殿にお願いがあって参りました」と
「二人が揃ってどうした?」と聞くと
「我ら二人隠居したく思いますのでお願い上がりました」
「七老中と相談役の役職はどうする?」
と聞くと二人とも役職を辞めることを希望した。
「秀綱、久包、後継は誰にする?」
秀綱は「相談役は宇山久兼にと思っております」
久包は「わが息子はまだまだですので、若年寄から一人老中に上げるべきかと思います。我が息子に関しては若年寄のままにしていただきたいとお願いにあがりました」
「わかった。次の評定までに考えておく」
そういって少し先伸ばしにした。
世代交代も考えないとな。
大河の毛利元就を見たせいか、あのシーンの逆をしたくなりこんな形にしてしまいました
ちょっと反省...
次回は少し時を遡り閑話休題で夫婦関係をやるつもりです
感想などありましたらよろしくお願い致します
誤字報告もあわせてお願い致します




