部隊強化とめんどくさい上洛。
さて、尼子家当主になった以上はなんとしても尼子家が生き残ることを考えなければ...
それに、史実だと石見を手放したのと曾祖父経久や父晴久が残した問題が一気に降りかかったんだよな。それが国衆の問題だったな。既に毛利は動き出してるって報告が来てるからなんとしても防がないと...一人で色々なことを考えていた。
さて、兵士については俺の元にあった部隊から
常備兵千五百人
領民兵八百人
雑賀衆九百人
鉄砲隊千五百人
狙撃隊百人
流民兵約二千人
忍び衆 二百六十人 (甲賀五十五人、伊賀百二十五人、歩き巫女八十人(養成中四十人)
計七千六十人
って感じか。それに父が持っていた兵士が
領民兵六千八百人..ただし、普段は三千人程度
常備兵五百人
鉄砲隊千人
鉢屋衆百五十人
計八千四百五十人
合計一万五千五百十人か
俺は各部隊の頭を集めた。
「それぞれ部隊を強化してもらう、まず久家」
「はっ」
「常備兵を三千人まで増やせ。それと、以前教えた陣形を訓練しておけ」
「かしこまりました」
「俊通」
「ははぁ」
「鉄砲隊を三千五百人まで増やせ」
「恐れながらそれでは鉄砲が足らず練習していた三段撃ちが出来なくなります。」
「鉄砲のことは心配するな。鍛治師達が、頑張って作ってくれた。もう少しで一万丁に届くらしい」それを聞いて任せていた久信以外全員が驚いた。
「そんなにもあるのですか!」俊通は驚いて立ち上がってしまった
「ある。だから心配するな」
「次に雑賀衆だが、増やすことは出来るか?」
「それは追加で召し抱えるってことか?それは無理だな。雑賀を守るものがいなくなるから無理だ」重秀は、そういい他の二人も同意する。
「そうか、わかった」雑賀衆を増やすのは諦めた。
「次に領民兵だがどれくらい増やせる?」
久綱は悩んだが、
「恐らくですが晴久様の方は無理ですが殿の方では後二千人までならできると思います」と久経がそう推測する。
「わかった。その領民兵だが、希望者のみで集めてくれ。強制的に集めても烏合の衆になりかねないからな」
「わかりました」久綱は頭を下げる
「狙撃隊はすまんがそのまんまだ、狙撃用の鉄砲が間に合わないからな」
「御意」善住坊は残念そうにしていた
「忍び衆、鉢屋衆、歩き巫女は孤児や流民の中に使えそうな者がいれば引き抜いて育ててくれ」
「かしこまりました」五人は平伏する。
それでは皆頼んだぞ。
皆出ていくと、久綱だけ残っていた。
「殿、お願いがございます」久綱が頭を下げる、
「どうかしたか?」俺はなんかあったかと、考えたが答えは出てこなかった
「私を老中に推薦していただいたのですが他の皆様と違って自前の兵士も領地もございません。恐れながら領地を頂きたく伏してお願い申し上げます」と、平伏した。
すっかり忘れてた。
今までは近習衆筆頭ととして領地を二千石と俺の領民兵の全権を与えていたが他の老中は皆五万国以上の領地の持ち主だった。そんな中、久綱は一人で二千石しかないのでは他の者に軽んじられるのは明白だった。
「頭を上げてくれ。すまんかった。もっと早くに気が付くべきだった」と俺は頭を下げる。
「父が持っていた領地と俺の領地の一部を与えるようにするから待ってもらっていいか」
と頼んだ。
「申し訳ございません。どうか、よろしくお願い致します」と頭を下げた。
それから数週間後久綱に伯耆国に五万石を与えた。この与えた中には俺の領地の一部が入ってるため領地経営はやり易くなっていると思う。
一部国衆を無理やり家臣にしたので少し凝りが残る形とはなってしまったが、久綱なら上手くやってくれると思っている。
さて、めんどくさい上洛をしなければならない。
連れていくのは久経、久家、幸盛の三人と雑賀衆の岡が一旦雑賀に戻り情報の共有をしたいといっていたので連れていくことにした。
今回忍び衆はついていかないが鉢屋衆がついてくることになった。代理の頭として久経に任せたようだ。人数は三十人、弥之三郎が言うには選抜組で鉢屋衆の中でも手練れだそうだ。
護衛は千人、うち三百人は鉄砲隊だ。なので、裏で三好に連絡している。公方様の面倒くさい上洛命令の為と、説明したら大笑いして許可をくれたらしい。ただし見張りの為家臣を送るとあった。なんだかんだ準備をしていたら冬になってしまった。
永禄五年(1562年)二月
若狭に着いた。予定ではここで三好の見張りと合流するはずだがまだいなかった。少し待っていると数十人の集まりが向かってきた。その中の一人の男が声をかけてきた。
「失礼ながら出雲尼子家の皆様でしょうか?」
「そうだが、貴殿らが使いの者か?」
「はい。三好長慶様の命で参った松永弾正久秀と申します」と、丁寧な挨拶をしてくる。
俺は固まってしまった。まさか久秀に会うとは思っても見なかったからである。
「殿?」久経が声をかけてきた
「あぁ、すまない。」
「いかがされましたかな?」久秀が聞いてくる。
「いや、まさか、長慶殿の寵臣にして茶器狂いと評される久秀殿が来るとは思ってもみなかったもので」
「これはこれは私のような者のことまで知っておられるとは嬉しい限りですな」言葉とは違い警戒してくる。
「これも何かの縁、公方様に持ってきた茶器のどれか一つを差し上げます」と言うと全員が驚いた。久秀なんか鳩が豆鉄砲食らったような顔をしてる。
「殿、これは公方様への貢ぎ物ですぞ!」久家が言ってくる。
「茶器に関心が薄い者より、茶器狂いのように茶器を求める者に使われた方がよかろう。ほれ、早く見せてやりなさい」俺はそう言い中身を見せる。松永の顔が面白いように変わっていく。久秀はその中で一つの唐物の茶器を選んだ。
「本当によろしいので?」久秀が聞いてくる。
「構わん。その分今回は案内の方よろしくお願いしますぞ」
「すべて終わりましたら、一服茶を馳走したいと思いますのでどうぞよろしくお願い致します」
公方との謁見が終わった後で久秀の茶を貰えるようになった。
さて、京に入ったが相変わらず荒れていた。俺は連れてきた兵士達に狼藉を禁止させ破った者は斬首にした。信長を真似て民達の印象を良くしようとした。結果として一人だけ斬首にして終わった。恐らく斬首など嘘だと思っていたのだろう。他の兵士達もホントに殺られると知ったのか、それ以降狼藉をする者はいなかった。
御所に使いを出すと今回はすぐに謁見することになった。
正直面倒くさかった。
次回はまた面倒くさい謁見です
感想などありましたらよろしくお願い致します
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