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戦後処理と交渉に向けて

今回の戦で被害が出た常備兵の再編に追われていた。

「我ながら二千の兵で一万以上に斬り込むとか正気じゃないことしたな~」俺が言うと

「笑い事じゃないですよ。よくここまで多くの兵が残りましたよ」

今回の被害は強制徴用の流民千人中半数が死亡、生き残った者も大なり小なり怪我を負っている。亡くなった者の家族や、怪我で畑仕事が出来なくなった者には見舞金を出した。また、怪我で畑仕事が出来ない者には出来る仕事を回している。

常備兵の方も被害は大きい。

常備兵千人中生き残りは四百人弱、ほとんどが怪我を負ってる。運がいいのか悪いのか、生き残った全員、兵士を続けられる程度の傷だった。

戦の後、久家は必死に頭を下げていた。

「申し訳ありません、私が未熟なせいでほとんどの兵士を失いました」と泣きながら謝っていた。

「久家のせいじゃない。俺のせいだ。お前はまた一から皆を鍛え生き残れるようにしてやれ」と言って休ませた。

後から追撃で来た部隊に被害はほとんど無かった。何でも雑賀衆のおかげで完全に混乱しており、建て直しも出来る状態じゃなかったらしい。

久経がやって来た。「殿、すぐに月山富田城に来るよう伝令が来ました」

「わかったすぐに行く」と伝え月山富田城に向かうのであった。

月山富田城の大広間では評定が始まった。

今回の件での交渉内容を、決めるためだ。

「さて、今回の件だがどう交渉する」晴久が言うと、「やはり若の言われた通り石見からの完全撤退と不干渉がよろしいかと」久包はそう言うと「毛利の奴等が守るとは思えません。ここはわざと交渉をやめ二人を殺すべきだと思います」幸清と清宗は言う。

「父上、幕府か朝廷を通して交渉するのはどうでしょうか?」と言うと

「幕府か朝廷か。奴等が守ると思うか」

「もし破れば、幕府はともかく朝廷を敵に回す事になるので(守る)可能性は高いかと」秀綱と兼久は賛同する。

「朝廷に伝がないな、仕方ない幕府に仲裁を頼もう。内容は毛利の石見からの撤退と不干渉とする。また、これが飲まれないなら二人は斬首とする」

「ははぁ、」全員が頭を下げる。

こうして幕府に仲裁を頼み交渉することになった。


吉田郡山城

まさか、敗北して重臣や家臣も多く討ち取られ元春も捕らわれるとは。元就は深く悩んでいた。尼子との戦に連敗、門司城を巡って大友との開戦。

「大殿、皆集まりました」

「うむ、わかった」そう言って広間に集まった。

「みな、よう集まってくれた。尼子からは交渉する用意があると言ってきた。儂は一時的に和議を結ぼうと考えておる」誰も意見が言えない。今回の犠牲が大きすぎたのである。さらに、元春と通良が捕まっているからである。

「和議とは一体どのような内容を考えられているのですか」隆元が聞いてきた。

「一時的に石見を諦め、五年の不可侵を結び大友に専念する」

「父上、尼子が五年も待つでしょうか?」隆景は皆が気にしてることを言ってきた。

「わからん。じゃが、それしか今は手がない」

「いっそ、大友と和議を結ばれてはどうでしょうか?」四人衆が一人福原貞俊が提案する。

「門司を諦めると言うことか?」隆元が言うと

「石見と門司のどちらかをとるとすれば石見の方が断然重要になります」福原が意見する。

そこに小姓が慌ててやって来た。

「申し上げます!幕府より、書状が届きました!」

「なんじゃと!!」一同驚き書状の内容を待った

元就は書状を読みニヤリと口元が笑った。

「幕府が今回尼子との仲裁に入る。十日後、双方三名の代表が邑智郡おおちぐん川本村の長江寺に集まり交渉するとある」

「湯温城の近くですな、危険では?」家臣が言うと

「いや、これでこちらの要求がしやすいと言うもの。幕府が入っている以上手荒い真似は出来まい」そう言うと誰を送るか考えていた。

「父上、交渉役私にやらせてください」そういって名乗りをあげたのは隆元だった。

「何をお考えで!貴方は毛利家の当主ですぞ!」そう言うのは宍戸隆家だった。

「だからこそだ。今回は幕府の要人も来ている。ここで幕府との伝を得ること、そして私が行くことで交渉内容を本気で守ると言うことを見せつける為だ」と説明する。

「わかった。隆元に任そう。元相、貞俊お主達も行け。元相、隆元の護衛は頼んだぞ」

「御意!」

国司元相、将軍足利義輝から槍の鈴の免許を貰った実力者である。

こうして毛利側の交渉役は決まった。

同じ書状は尼子家にも届いていた。

「さて、今回は誰を送るか」晴久は悩んでいた。

「護衛や監視も必要では?」幸清は言う。

「護衛や監視は、鉢屋衆と私の所の忍び衆にお任せください」義久は言う。

「弥之三郎、やれるか?」晴久が問うと

「問題ございませんが義久様の配下との連携が難しいところかと」と不安を言ったが

「その辺は問題なく。弥之三郎に従うよう命令しておきます。問題ないな三人共」と俺が言うと。

「ご命令とあらば。弥之三郎殿、どうぞよろしくお願い申す」と兵太夫が言う。

突然現れた三人に重臣達は驚いていた。

父と弥之三郎には知らせておいた為か平然としている。

「さて、問題は誰が行くかだ」晴久は毛利が何か仕掛けてくると思っていた。

「私が行きます」俺が言うと

「何を考えてるか!」と怒鳴り声をあげる。

「私が行くことで交渉を守ると言うことを見せつけるのと元々私が言い出したことだからです。最後まで責任はとりたいので」と言うと久包、兼久、秀綱は納得していた。

「殿、私も行きます。そうすることで若の暴走を止めることもできますでしょうし」そう言うのは秀綱だった。

「それなら、私も行きましょう」そう言ったのは久包だった。

「筆頭家老に次席家老が行けば幕府の面目も立ちますでしょうし、若の暴走を止めることも出来ましょう」と言う。

俺が暴走するのが確定のような言い方するな~と、心の中で思っていた。

「わかった。任せたぞ」

「ははぁ」三人で頭を下げた。

評定が終わると「義久様、三人をお借りしてもよろしいですか? 護衛と監視のことを話し合いたいので」と、弥之三郎が言ってきたため、三人とも弥之三郎と話に行った。

さて、誰がくるかな? 心の中でどうするか考えるのであった



数千で万の大群に攻めたのって信長と氏康くらいしかいないのでは..?

あまり進展が無かったかもしれませんが、感想などありましたらよろしくお願い致します。

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