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不穏な動きと説明会

義久が山窩の説得している所を見張っている者達がいた。

鉢屋衆である。

「山窩の者を説得するなど何を考えられてるのだろう」

見張ってる一人が言う。

「わからんな、殿の指示通り監視を続けるぞ」そういって終始監視をしていた。

その報告書を見ていた晴久と弥之三郎は悩んでいた。

「撤退戦中の落馬から様子が変わったな」

晴久は言う。


「頭を強く打って一週間近く意識を失われていたのも原因かと」

弥之三郎は言う。

「一度、詳しく話した方が良いかもしれんな」晴久は悩んでいた。義久が勧誘などの許可を求めに来た時の感じと今までの感じが変わってるからである。しかも、一瞬だが尊敬する御爺様(尼子経久)と、同じ感じがしたからである。

「なんにせよ、監視は続けよ。何かあればすぐに知らせろ」晴久は弥之三郎に指示をするのであった。

「良い方にいけば良いが、尼子家に害をなすなら...」晴久は一人考えるのであった。


[????]

部屋に数人の男達が集まっている

「尼子の様子はどうか?」

「援軍に失敗してからは目立った動きはありません。しかし...」

「しかしなんだ?」

「晴久が子、義久ですが何やら領地で色んな事をしているという噂にございます」男の一人が報告をする。

「どんなことだ、わかる範囲で答えよ」

「はっ、鍛冶師を集めて何やら不思議なものを作ったり、流民に開拓を行わせその土地を与えているという噂にございます」

初老の男は少し考えこみ「数人で構わんから間者を送っておけ。何かあれば伝えよ」

「御意」そう言って男は部屋を出ていった。

「来年には完全に石見を取る。皆準備を怠るな」

「ははぁ」男達は頭を下げていく。

「なんとしても、石見の銀を手に入れなくては...」初老の男はそう言って策を練るのであった。


数日後、義久は父晴久に呼ばれて月山富田城に来ていた。

「なんか不味いことしたかな」義久は不安にかられながらも呼ばれるまで部屋で待っていた。

「義久様、殿が御呼びです」小姓が呼びに来たので大広間に向かった。

大広間では父晴久と重臣達が座っていた。

重臣は

亀井秀綱、宇山久兼、 佐世清宗、 牛尾幸清、中井久包の五人である。

「御呼びとありまかりこしましたが皆様が揃って何かありましたでしょうか?」俺は聞くと晴久が

「お主が今やっていることと、今後どのようなことをするつもりなのか、ここにいる全員に説明しろ」

そう、父に言われたので今やってることは硝石丘法以外はすべて話した。

「今やってることは以上になります」

「殿、忍びの件みとめられたのですか!」幸清達は驚いていた。

「認めたが何か問題があるか?あの者達にやる知行は全て義久のところだけだ。他の者に影響はあるまい。」晴久はそう言う。

「忍びに千五百石など聞いたことありませんぞ!鉢屋衆のように昔から手柄を上げた者ならまだしも何もしてないものにやるなど正気では御座らん!」幸清は猛反発する。

「なぜ、椎茸栽培を山窩の者にやらせたのですか?我々がやれば大きく利益があげられるものを」清宗は椎茸栽培のことについて言ってきた。

「山窩の者にやらせたのは間者が紛れ込んでもすぐに分かるのと彼らなら大規模にやっても隠せるからです。」俺は説明する。

「毛利に情報が流れた場合、多くの銭を与えてしまうことになってしまいます。それをさせないために山窩の者の協力が必要でした」

「常備兵に関しては良いと思いますが銭がかかりすぎるのでは?」久包は聞いてきたので

「経費はかかりますが常備兵がいればいつでも出陣できますし、何より、練度の高い兵士を育てられます。精鋭として運用するなら必要だと思い訓練させてます。」前もって返答を考えていたのですぐに答えた。

久兼は「鉄砲は高価なのでそんなに使えないのでは?」と言うので「雑賀衆を召し抱えたのはその為です。彼らがいれば鉄砲を効率よく活用できますし鉄砲鍛冶師を招くことで数も揃えます」と答えた。


今まで黙っていた秀綱が

「義久様、何をそんなに焦っておいでですか?」

大広間に沈黙が流れた。

「いや、聞いておれば何故そんなにも焦って改革をされるのだろうと思いましてな。理由をお聞かせ願えないだろうか」

「義久、答えよ」晴久も言う。

正直、こんな質問されるとは思ってなかった。これからどうなるか知ってると言っても頭がおかしくなったかと言われ幽閉されるかもしれない。悩んだ末夢として話すことにした。

「実は気を失ってる間に夢を見ました」

「夢だと?」

「はい」

「尼子家が毛利に滅ぼされる夢にございます」俺がそう言うと

「何をばかな。毛利家に、滅ぼされる?滅ぼすの間違いでは?」幸清はそう言う。

俺は知ってる尼子家の末路を話した。夢として

石見が毛利の手に落ち、尼子十旗が落とされ月山富田城に籠城したが負けてしまったこと。

「所詮夢、尼子十旗が落ちるなどあり得えん」清宗と幸清はそう

「ですが元就は謀将、謀多きが勝ち少なきが負けるのは必定、対策をしておかねば夢の通りになってしまいそうなので焦っておりました」

なぜか、集まった者が静かになった。

「義久、その言葉どこで知った?」晴久は真面目に聞いてきた。

「その言葉とは?どのことですか?」俺は聞き返した

「謀多きが勝ち少なきが負けると言ったではないか」

「前回の敗戦で学んだことです。もっと情報を集め、謀略を張り巡らしていれば負けることは無かったと後悔したからです。」俺はそういって誤魔化した。

「そうか、わかった。下がって良いぞ。」父がそう言ったので俺は部屋を出た。

広間に残った皆は黙っていた。

「今のどう思う」晴久は皆に問う。

「恐らく、今のまま育てば亡き大殿(経久)のようになるのではと思います」秀綱はそう言う。

「しかし、亡き大殿の最後の言葉を言われるとは」久包は懐かしそうに言う。

「そうか、皆、今日はもう下がれ」晴久はそう言うと広間を出ていった。

残った秀綱と久兼は話をしていた。

「秀綱殿、義久様は変わられたな」久兼はそう言い、秀綱は

「ほんと、落馬してから変わられた。」秀綱は撤退戦を思い出していた。

その頃久包は「今回の件がいい方に向かえばよいが」一人別の不安を抱えていた。

どう説明していけばわからないものですね~

感想などありましたらよろしくお願い致します

返答はできる限りのしていきます

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