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冬を越え

作者: Lol提督

 春めいた風にこの手をひかれ


 僕は緑に溶け込んだ


 だけれど綺麗(きれい)に混ざらない


 肌をくすぐるつぼみ達に


 はじき出された僕は独り


 風よ 僕を騙したな


 春などまだまだ程遠い


 目覚めない僕は帰ろうと


 立ち上がった、その時に


 丘の上にうずくまった


 女の子がポツンと独り


 ふいに吹いた北風が


 あの娘をこの髪を少しだけ


 可愛らしく揺らして見せる


 ああ、なんだろう この気持ちは


 家に向かってたこの足が


 君へ向かって前後する


 


 風は世界に僕にしか


 見えない春を届けてた

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