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第一章の4 定められたルール

ジギタリス一行が去って、数時間後


俺、フリシア、カルミアの3人はエクセア領主邸の応接間へと集まっていた。

突然出てきた応接間だがゲームとかアニメに出てくる洋式の応接間をイメージしてくれ。

そして今この部屋の空気はとても重い。

俺は重くなった空気を吸うことを辞めるためにも先程の先走った発言を謝ることにした。


「すまん!フリシアの剣になるというのはうそでは無いがあまりにも考えなしに突っ走ってしまった。」


「いえ、オワリがあの場で黙っている私達を引っ張るように口火を切ってくれて良かったです。」


彼女は微笑んでくれる。


「俺もお前の話に乗ったんだ。今となってはお前一人じゃねえ、俺もそれに姫もお前の後ろについているさ。それに何も俺たちだけで挑む必要はねえ。言ったろ?剣の1本や2本増やして相手してやるって」


カルミアはいつもの態度で俺を励ましてくる。

彼のおかげもあり、徐々に場の空気も明るいものとなっていた。ありがとうカルミア。


「そういえば数日、ここにいるのに俺はカルミアとの訓練ばかりでフリシアの事をあまり知れてなかったな...。もし、フリシアさえ良ければお前のことも教えてくれ!」


俺は彼女をまっすぐと見て頭を下げる。

彼女に拾われ、彼女の家で寝泊まりさせてもらい、ご飯まで貰っているのに彼女の事をあまりにも知らなかった。


「ちょっと!オワリ、大げさですよ!」


「頭をあげてくださいっ。貴方に私の剣になるとまであの状況で言われて自分のことを話さない私ではありませんよ!」


フリシアは頬をぷくーと膨らませてみせる。

そして姿勢を正し、自分の事を話してくれる。


「私の父、ゼフィランサスはこの土地を納める領主でした。私は父を誇りに思い父の背中を追いかけ続けていました。」


「そんな中、父は落盤事故に巻き込まれ、1ヶ月ほど前に亡くなってしまいました。」


少しだけ悲しそうな感情を顔に出すフリシア。


「そして当主となった私ですが、領地を問題なく治めるという部分に置いては力不足という他ありませんでした。そこで王都からの事実上の領地争奪戦ということになったのです。」


疑問は解決、困ってる人は助けるのが俺の主義

そんな俺の頭に彼女の言葉が引っかかる。


「領地争奪戦?」


俺は疑問を口にした。

それを聞いたフリシアはこくんと頷き、言葉を続ける。


「そうです。エクセア領を治めるに値すると判断される近隣の領主はエクセア領を自らの物差しで測り、正式な書面を持って統治権の譲渡を許可すると。」


「それを聞いた近隣領主の大半は父と仲良くしているものばかりでした。私の事もよく知っており、私の成長を信じサポートを行っていくこと。さらには争奪戦からの棄権を宣言してくださいました。」


「そんな中、ジギタリス卿は違いました。。自らの人生さえもゲームと考える彼にはこの領地争奪戦は格好の的だったのです。しかし、王都の上層部もただ力を持って奪い取れとしているわけではありません。争奪戦にはルールが定めらました。」


「戦闘行為に発展する場合3ヶ月の期間をあけ正式な場で行う事。それ以外の戦闘の場合は領地の権利はいかなる場合も譲渡の許可は出ず、強行的な手段に出た場合は王都も騎士団の派遣を行い、両領地を制圧の上、土地の領地権を剥奪し両領主の土地は王都管理の元とする。」


「また王都のギルドに所属している者の参加は許可しないと。」


俺はその事実聞きながら頭を回す。だいぶこの世界にも慣れてきたな。

比較的早く言葉を口にすることが出来た。


「つまり、このままウダウダしてても王都は助けてくれないと言うわけか。いや、それならその争奪戦を降りてくれた他の領主に助けを求めることは出来ないのか?」


俺は少しばかりまともな回答ができたつもりで居た。

だがフリシアは言葉を返してくれない。それを見て口を開いたのはカルミアだった。


「そりゃ無理だな。彼らも王都公認の争奪戦から降りるがエクセア側に付きまーすなんてことは出来ない。それにあいてはあのジギタリスだ。彼らが心無いわけではなく領主として正しい判断を下していると思う。」


確かに当然だ。カルミアの言葉を聞き、俺は正論過ぎて言葉が出てこない。

そんな中、沈黙を破ってくれたのはフリシアだった。


「ギルドにも所属しておらず、こんな状態のエクセア領に残ってる方がどれだけ居るかは分かりませんが可能性があるとしたらあそこしかありません。」


カルミアは何かが分かったようにニヤッとする。

そしてフリシアは言葉を続けた。



「エクセア領における最大の街《大樹の都セウブケス》へと向かいましょう。」

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