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第一章の1 エクセアの姫 フリシア・アンジュ

「俺はいつの間に転移魔法を使えるようになっていたんだ」


棒読み気味に口に出してみるが世界は6畳間に戻ったりはしない。


つまり俺の置かれている状況はこうだ。

親方!空から冴えない男が!

そして所持品は圏外スマホに家の鍵


周りを見るとゲーム世界でしか観ないようなチェストに

天蓋の付いたふわふわのベッド


そして目の前には近くの椅子で眠る女の子

身につけているものからして良家の娘という感じがする。


ハっとして女の子が目を覚ます。

辺りをキョロキョロと見回して俺が目を覚ましていることに気がついたようだ。


「あ!気が付かれましたか?? 良かったぁ 空からいきなり落ちてきた時は本当にびっくりしたんですよ!」


徐々に思い出してくる 空から落ちて突然名前あの瞬間が夢でなかったことも。


「ああ ごめんごめん 自分でも良く分からないんだが俺はやっぱり空から落ちてきたんだな」


当然ながらああ空から落ちてきたのね。そして不思議と怪我もない! 納得!OK!とはならない。


「はい 確かにあなたは空から落ちてきました。それはそれは綺麗にまっすぐと」


不思議な顔をしながら彼女は俺の問に答えてくれる。


「迷惑かけて悪い。しかしえっと...フリシア フリシアが此処まで運んできてくれたんだよな」


「私の名前、あんな状況で聞かれるとは思ってなかったですけど、覚えててくれたんですね。」


「記憶力は良い方でね。 しかしどうやって俺を此処まで運んでくれたんだ? 俺もそれなりに重いぞ?」


一応、言っておくが俺もそれなりに男の体型をしているはずだ。到底彼女に運べるような重さではない。


「ああそれはですね...」


バタンッ

彼女が答えようとした時、俺の視界の丁度端、この部屋の扉が開いた


「お、目が覚めたか 対して怪我もなさそうだな」


白髪に赤眼 腰には紋章の入った剣

少し笑みを浮かべた男が扉の前に立っていた。


「カルミアよ。 彼が此処まであなたを運んでくれたの」


彼女...いやフリシアは答える。


「おっと自己紹介がまだだったな。姫の紹介にもあったとおり、俺の名前はカルミアだ このアンジュ家に仕える騎士といった所だ。」


「ちょ、ちょっと待ってくれ 次々に分からない事が多すぎる。えっとまず姫?って言ったか? それはフリシアのことで間違えないんだよな?」


洗濯機に掛けられたかのようになっている頭を整理しながら俺はどうにか言葉を口にする。


「ははーん?まだ説明がついてねえみてえだな。話が進まねえからここは俺が説明役に回ってやるよ。まーずは場所から説明してやんねえとみてえだな。ここはアザレア王国エクセア領の領主邸。そしてお前を見つけ、助け、目の前に居る女性こそエクセア領次期領主フリシア・アンジュ様だ。」



俺の頭メリーゴーランドは更に加速していたがなんとか言葉を口にする


「俺が置かれてる状況、場所はわかった。 そして二人には感謝に尽きる。」


言葉にしながらも俺は自分が海外旅行に出かけた記憶も時をかける男子になった記憶が無いことを再確認した。


「姫なんて大層なものではないわ 私のことはフリシアで構わないわ えっとあなたはなんと呼べばいいかしら?」


薄っすらと笑顔を浮かべたフリシアが俺の名前を聞いてくる。


「そういえば一方的な質問ばっかでごめん!」


確かに自己紹介がまだだった。

まあこんな状況だ。気配りが下手なことぐらい今はどうか許してくれ。


「俺の名前は星野終(ほしのおわり) 年齢は18歳 出身は通じねえと思うが日本だ。」


俺は偽りなく変にごまかすことなく自己紹介らしい自己紹介を行う。

自分に起きた事故紹介は自分の頭に良く言い聞かせ、多少は頭も落ち着いてきた。


「日本...とは聞いたことねえ国だな」


カルミアは眼を細め首をかしげつつも答えてくれる。


「やっぱりか... まあ遠い外国からきた一文無しと思ってくれ」


嘘は言ってないよな?この世界の外の国からきたし、たしかにこの世界のお金など一切持っていない。

それに異世界転移しましたーなんて言っても理解される気は全くしない。


「一文無しってお前...目的があってアザレア王国にきたんじゃないのか??

それにどうやって空から落ちてきたんだよ お前飛行魔法でも使えるのか」


カルミアからは俺におかしなものを見たような眼が向けられている。

ああやっぱりそうか。この世界は魔法もあるようなリアルファンタジー世界なんだな。

頭は落ち着いたが周りの環境はだいぶ落ち着いてないようだ。


「悪いが魔法の類は多分使えない どうやって空から落ちたかと聞かれても玄関開けたら秒で落下としか答えられねえ」


事実これしか答えられない。カルミアとフリシアからどんな怪奇な眼で観られようが

刑事ドラマの刑事さんのように問い詰められようが俺にはこれしか答えようがないんだ。


「落下ってお前...まあここまで格好から何から変わったやつだ事情ありってやつだろ。ただの一文無しだと思ってやるよ」

「姫もそれでいいか?」


カルミアはニヤッと笑いフリシアへと問を振っている。


「うーん まあ悪い人には見えないものね 格好は変 言動も変だけど」


フリシアの言葉の針は俺の胸をチクチクと刺してきた。


「おいおい姫、オワリの心を剣山するのはそれぐらいで辞めてやれよ」


当のフリシアはカルミアの言葉を聞いて???という表情をしている。

フリシアは純粋なようだ。さすがは天使、アンジュだけに。

おっとどうした。パッと何かを思いついた顔をして今以上に

数奇な物語を展開していくつもりなのか??


「ねえカルミア、彼"例のアレ"にどうかしら)


カルミアは少し驚いた表情をするがすぐにニヤッと笑っている。


「いいんじゃねーの??姫が良ければ。」


それを聞いたフリシアは俺に向かってこう続けるのだった。



「貴方、私の騎士にならない??」



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