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プロローグ 《週末の終末》

ピピピ ピピピ


アラームの音で目が覚める 見慣れた天井とは少し違う天井


ラノベの主人公だったらここで顔を覗き込んでる美少女に出会い

異世界へ転生してしまった!!とでもなるのだろうが

生憎なことに俺は死んで戻ってやり直した経験もなく

魔法学校で劣等生だったわけでもない。


高校卒業を機に実家を飛び出し、お手頃な物件を紹介してもらい

夢の第一歩、念願の一人暮らしというわけだ。


歯を磨いて顔を洗いお気に入りのパーカーを羽織り

拘りの無いチノパンサっと着替えて朝食を作る。


こう見えてというのも可笑しいが料理は意外とやる方である。

定番はカリッと焼いたベーコンに卵を落とし塩コショウで味付け

キャベツを刻み皿の端に少し盛る。味噌汁は時間短縮インスタントで


まあ男の料理に華などない さっさと次に進もうか。


朝食を済ませ、スマホを片手に天気をチェック...と行きたかったのだが

どうにも今朝は調子が悪いようで家に居るのに圏外になっていた。


「おいおい引っ越し早々から故障とか勘弁してくれよぉ」


独り言を口にしながらスマホを降ったりしてみる。

それでも治る感じはしない ザエンド 終末というわけだ。


このままじっとしていても青い狸型ロボットが押し入れから出てきて

不思議なポッケに手を突っ込み出した布で治してくれたりなどしない。


しかし俺、「星野終」はこんなことでクヨクヨしたりはしないのだ。

なんたって念願の一人暮らし 過去の自分にサヨナラバイバイ

それに携帯ショップに修理に出せばいいだけじゃないか


思い立ったら直ぐ行動 それが俺のモットー

折角の週末だ。ついでに近所でも見て回ろう。

雰囲気の良いカフェの一つぐらい見つけておきたいものだ。

皿を片付け、鍵を握り、俺の夢の発信地1K6畳の部屋を飛び出した。


はずだった。確かに踏み出したはずだった。

踏み出したはずの足は地面につくことなく空を切った。


文字通り(そら)を切った。


「落ちてる落ちてる落ちてる!!!!」


状況を理解 理解はしたけど把握は出来ない

出来るはずがない 所持品は圏外のスマホに家の鍵のみ

目に飛び込むのは現実とは思えない空飛ぶトカゲに城塞都市 

そして可愛い女の子



...ん?女の子? 可笑しいな俺の視力はそんなに良くないはずだぁあ!!



... ... ...目が覚めた。


「起きてください 大丈夫ですか!?」


女の子の声で目が覚める 見慣れた天井とは少し違う天井


いつもの星野終だったらここで顔を覗き込んでる美少女など居らず

ああ一人暮らし始めたんだったなとでもなるのだろうが

生憎なことに今回は違った。あまりに違ったのだ。


きれいな水色の髪の毛 整った顔立ち

心配そうに見つめる澄んだ蒼い瞳

あまりに可愛い彼女に意識より先に口が動く


「あなたの名前は?」


彼女は戸惑いながらも答える


「え?名前ですか...?」

「フリシア、フリシア・アンジュです」


ああそうか天使か ピッタリの名前だなぁ

そう思いながら俺は再び眠りに落ちた。

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