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鑑定使いの冒険者  作者: 空野進
第八章、魔族との戦い
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vs.ジャイアントトレント

 やはり弱点は火だ! それなら――。



「シャル、魔法の準備を――」

「いらないわ!」



 俺の声を遮るようにミーナがいってくる。

 二人が反対の指示を出したのでシャルが困惑して俺とミーナを交互に見ていた。



「そうも言っていられないだろ! 相手は今までのエルダートレントより強いやつだぞ!」

「でも、ハクが言ったのよ! 次の魔物は私とニャーに任せると」



 うっ……。そう言われると弱いな。たしかにそう言ったから言い返せない。


 とそうしているうちにニャーがジャイアントトレントへ攻撃を始めてしまった。


 もう、仕方ないな。



「わかった。シャルはいざという時のために魔法が撃てる準備だけしておいてくれ。ニコルも同様にいつでも飛び出せるように!」

「はい!」



 シャルは杖を構え、ニコルは腰を少し下げ、いつでも飛び出せる体制をとる。それに満足したミーナはニャーの方へ向き魔法を唱える。



「◯□◯□◯□□□、全強化(オールバフ)!!」



 いつもより長い詠唱をたっぷりと時間をかけて唱えるミーナ。


 ミーナが呪文を唱えている間、相手の攻撃を避け続けることのできるニャーと組んでいるからの芸当だな。


 そして、ニャーに全強化がかかるとジャイアントトレントに対して本格的な攻撃が始まる。


 動きの遅いジャイアントトレントの攻撃は強化されたニャーには当たる気配すらなかった。


 あまりに攻撃が当たらないので、ジャイアントトレントはヤケになってしまっている。


 地面が揺れそうになるほど強力な叩きつけをしたり、範囲のすごく広いなぎ払いをしたり……と多彩な攻撃パターンを繰り広げていったが、そのどれもニャーは涼しげな顔をしながらあっさりとかわしてしまう。


 これなら安心してみていられる……と思えるが対するニャーの攻撃もジャイアントトレントには効いてるように見えなかった、


 相手も体が大きい分、ちょっとした攻撃ではろくに効かないらしい。


 こうなったら持久戦になるだろうか……。


 しばらく変わらない戦いを繰り返しているニャーとジャイアントトレント。


 しかし、突然ジャイアントトレントが倒れる。


 一体何が!?


 思わずジャイアントトレントに【詳細鑑定】を使う。



【猛毒状態】



 普通の毒状態ならニャーが持っている短剣で起こる状態異常だけど、猛毒……初めて見るな。

 まだ魔石に変わらないところを見ると完全に倒したわけではないのだろうけど……。



「この状態なら楽に倒せるのにゃ」



 嬉しそうに短剣を突き刺していくニャー。力が弱い分、その回数はかなり多かったが、それでも最終的にはジャイアントトレントを倒すことができた。

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