表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鑑定使いの冒険者  作者: 空野進
第七章、クドゥの実
89/152

通常の鑑定

 エミリが書いた鑑定結果を眺める。



『ニコル』

【魔法】

【魔力供給】



 やはりそこまでたくさんわからないみたいだな。今回は鑑定相手の名前が分かっているので、それを一番上に書いているのか……。


 これだけじゃ何もおかしいところはないみたいだ。


 いや、【魔力供給】だけでも充分強いスキルだよな。


 なら魔族がそれを欲しがってもおかしくないよな。




「それで、魔族はどこへ飛んで行ったのですか?」



 肝心なことを聞いていなかったので、それを聞いてみる。



「あぁ、ダンジョンの方へ行ったようだ。一応、冒険者たちに注意は促して、近々討伐隊を組むつもりだ。冒険者である以上、行動は縛れないがもしダンジョンに行くなら注意してくれ」



 そういうとノービスさんは下の冒険者組合へと戻っていった。


 まぁ危険とわかっててダンジョンに潜るようなバカは……。



「ハク、聞いたわよ! 早速魔族討伐に行きましょう!」



 ミーナが興奮気味に行ってくる。


 うん、バカがいたな……。


 俺はミーナの頭を軽く小突いておく。



「わざわざ危険の中に飛び込むなんてするはずないだろ」

「危険な相手だからじゃない! 自分を鍛えるチャンスよ!」



 言わんとしてることはわかるが、あれほど強い相手……。そっか、あの魔族のスキルについては何も話していなかったな。


 それならこの反応をしてもおかしくないか。


 せっかくなので、みんなを呼ぶとあの魔族のスキルやレベル差について説明しておいた。

 これであの魔族と戦おうとする者はいなくなるはずだ。



 そして、翌日。俺たちは突然の来訪者によって叩き起こされた。



「お兄ちゃんがいないの」



 やってきたのはニコルだった。

 まぁグランも冒険者だから一人でどこかに行くこともあるだろうし、とりたてて焦る必要もないと思うけどな……。



「どこかで魔物を狩りにいったとかじゃないのか?」



 一番ありそうなことを言ってみる。

 しかし、ニコルは首を横に振る。



「いつもお兄ちゃんはどこかへ出かけるときは私に言っていったの。それが今日はなかったから……」



 聞き逃した……とかも考えられそうだけどニコルの慌てようだと彼女の考えは別のところにありそうだ。



「昨日、お兄ちゃんが呟いていたの。『あいつ、俺を騙しやがって』って。それってもしかしたら――」



 魔族のところに行った……ということも考えられるか。

 むしろ確率的にはそれが高そうだ。なんとか俺が【詳細鑑定】をしたおかげでニコルは治ったが、それをしなかったらクドゥの実を与えて、ニコルは魔物になっていただろう。


 自分を騙した魔族に仕返しを……。

 うん、グランなら考えそうだ。



「わかった。みんなが起き次第、ダンジョンの方に行ってみよう。ただ、グランがいなかったらすぐに帰ってくるぞ」

「うん、ありがとう」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ