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鑑定使いの冒険者  作者: 空野進
第七章、クドゥの実
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相談

 なんとかエビナフダンジョンから出てきた俺たちはダンジョン内の異常を伝えに冒険者組合へと足を運んだ。


 そして、二階の鑑定所でエミリの護衛をしてくれているノービスさんに先ほどの出来事を話す。



「生きた壁に魔物もアイテムも落ちていない階層か……。確かにおかしいな。五階層には間違いなく魔物がいるという報告を受けている。そして、お前たちが言うようにスキルを得ることのできる実とはまた別の実のこともな」



 グランの言っていたことは間違いなかったようだ。

 いや、もしかして——。



「そのことを言ってきたパーティは一つですか?」



 もしそうなら、そのパーティが嘘をついた可能性がある。どうしてそんなことをしたのかはわからないが。



「いや、全部で三パーティだ。五パーティを超えたら正式な情報として発表するつもりだったんだ」



 三パーティもいるのなら嘘情報ってこともないかな……。

 できたらそのパーティの人たちにも話を聞かせて欲しいところだけど……。



「そのパーティの人たちと話すってことはできませんか?」

「いや、そいつらはこの報告をした後に別の町へ行くと言って出て行ってしまった」

「三パーティ全てですか?」

「そうだ」



 なんか余計に怪しくなったなぁ……。もしかして、何か思惑があってそんなことをしたのか?


 考えたところでそのパーティがいないのなら調べようがないか……。



「わかりました。それでしたら念のために五階層以下に潜る方には注意を促してもらえますか?」

「あぁ、わかった。俺からもなんとかその三パーティと連絡が取れないか動いてみる」

「お願いします」



 報告が終わると俺たちは宿屋へと戻ってきた。

 そのまま荷物だけおくとすぐ夕食をとりに行く。



「きょうは済まなかったな。俺がしっかりとした情報を得なかったばかりに……」



 戻ってきてからずっと浮かない顔をしていたグランが席に着いた途端に謝ってくる。


 確かに誘ってきたのはグランだが、それがなくてもいつか入っていたと思う。むしろグランがいてくれたおかげで安全にあの階層まで行けたわけだから気にする必要はないと思うんだけどな。



「まぁグランのせいじゃないんだから気にするな。それよりグランはその実のことを誰から聞いたんだ?」



 冒険者組合がまだ出していない情報……さすがにそれを誰から聞いたのかは聞いておかないといけない。


 グランは少し悩んでいたようだが、ゆっくりと話し始めてくれる。



「俺が聞いたのも多分その冒険者のパーティだな。ちょっと……俺の知り合いが病気でな。それを直す効果がおまけについていると教えてもらったんだ」



 能力が上がってその上病気も直す?

 そんなことがありえるのだろうか?


 騙されてる気がしてならなかったが、黙って続きを聞く。

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