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鑑定使いの冒険者  作者: 空野進
第六章、エビナフダンジョン
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エミリの鑑定

 翌日からさっそくエミリには俺の隣についてもらい、鑑定所の働き方を教えていった。

 といっても基本は【鑑定】を使ってその結果を紙に写すだけだ。


 俺みたいな【詳細鑑定】でもないから注意すべき点はそれだけだ。

 あとはちゃんと【鑑定】を発動できるか……それだけが問題だ。



「今からしばらくは俺の隣で同じように鑑定を使ってもらう。それがちゃんと使えてるのを確認したら、エミリ一人で【鑑定】してもらうぞ。もちろん間違えていたら俺が教えるから安心して【鑑定】してくれ」



 少し緊張気味のエミリに今後の予定を説明して、そのあとミーナたちに下の冒険者組合で待っていた人たちを呼んできてもらう。




 さすがに初日から全てうまくいく……何てことはなく、緊張しすぎて慌てふためくエミリの姿を何度も見ることができた。


 それでもちゃんと【鑑定】は発動できていたし間違いもなかった。それを紙に書き写すのは【速筆】スキルのおかげで俺より早い。


 これなら何日かして、慣れてきたら問題なくこなしてくれそうだ。

 俺は今日働いてくれた給金を疲れを見せるエミリに渡す。



「ふぅ……、疲れました……」



 ぐったりとするエミリと一緒に俺たちは下の酒場で夕食をつついていた。


 ノービスさんが睨みを利かせてくれたおかげで大体の人は捌けて、【鑑定】を待つ人もほとんどいなくなった。


 明日からは少しゆっくりできるかもしれない。


 そう思いながらテーブルに顔をつけるエミリを苦笑しながら見ていた。




 そんなエミリも三日を過ぎる頃には一人で任せても大丈夫なようになっていた。



「そろそろエミリ一人でやってみるか?」



 鑑定所の仕事が終わったあとにエミリにそんなことを聞いてみる。



「もう私一人でやらせてもらえるのですか?」



 その言葉にエミリも嬉しそうだ。まぁ俺の時もこのくらいで全て任されたもんな。



「俺たちは明日はダンジョンに行こうと思うんだが、エミリ一人でやってみたいなら鑑定所を開いてもいいぞ」

「やる……、やります……、やらせてください!」



 初めは迷ったようだが、最終的には声を大にして言ってくる。


 それを聞いて俺は少し嬉しくなった。




 そして、翌朝。

 俺たちは再びダンジョンの前に立っていた。


 スキルを得ることができると聞いてしばらくは実集めに精を出していたが、結局スキルを得ることができたのはシャルとニャーだけだった。



 俺たちは当初の目的だったクルードフダンジョンの地下十三階層を進んでいける方法を教えてもらうためにレベル【6】以上の冒険者を探すことにした。


 そのクラスの冒険者になるとこのダンジョンの深くまで潜ってるらしく中々帰ってこないようだ。


 帰ってくるのを待つのも手だが、自分から探したほうが早いだろうとこうやってやってきたのだ。


 ということで早速ダンジョンの中に入っていく。

新作始めました。よろしければどうぞ。下にリンクがあります。

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