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鑑定使いの冒険者  作者: 空野進
第六章、エビナフダンジョン
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エビナフダンジョン第一階層

 少し粘ったもののシャルの「普段一緒に寝てますよね」という言葉に負けた俺は仕方なくシャルとニャーと同じ部屋になった。


 部屋の中には大きなベッドが一つ。ここはどこの宿でも一緒だな。

 六畳ほどの部屋には他にテーブルと椅子が三つ置かれているだけであとは何もなかった。


 俺たちは荷物をテーブルの上に置くとベッドに飛び込んで少し休む。


 ウルちゃんに乗っていたからあまり疲れてはいないが、体を休めるにはそうしたほうがいいだろうと判断したからだ。


 ベッドの上で寝転がっていると、のそのそとウルちゃんが俺の上に乗ってくる。すでに小さく戻ったその体はあまり重さを感じないので、そのままにしておいてあげる。




 そして、一時間後。

 俺たちは部屋から出て、ダンジョンへ向かうことにした。



「それにしても狭い部屋ね。宿屋とはこういったものなのかしら」



 一人で使っているはずのミーナがそう言ってくる。

 確かにメルカリの町にあるミーナの家と比べると狭いけど、そもそもミーナの部屋より広い場所なんてほとんどない。



「まぁそれはいいわ。それよりダンジョンよ。スキルのレベルが上がる実……たくさん取れるといいわね」



 さっきまで不満を漏らしていたのだが、すぐに機嫌を直し、ダンジョン……というよりそこでとれる実を気にしだすミーナに俺は苦笑いする。



「さすがに取ってる人も多いだろうから、あまり数は取れないかもな。まぁ俺もスキル取得できるというのは気になるが」



 【詳細鑑定】スキルしか持たない俺には魅力的な実だ。

 とそんなことを話していると肝心のダンジョンへとたどり着く。


 メルカリの町のダンジョンは入り口が洞窟型だったのに対して、このシャーロッテの村のダンジョンは大きな木の幹に入り口のような穴が空いていた。


 地上一階がないが、もしかしてワープポイントはないのか?

 そのことが不安になる。まぁ、そのあたりは入ってみないとわからないな。


 そういうことで早速中に入ってみる。




 エビナフダンジョン、地下一階層——目の前に広がるのは緑生い茂る広い空間。太陽こそ出ていないものの眩い光に照らされたそこは、魔物の姿が全く目視できないほどのたくさんの冒険者がいた。


 血眼になって探し回っていることを見ると、彼らもここでとれる実狙いなのだろう。


 さすがにここで一緒のように実を探しても何も取れる気がしない。



「よし、一つ取れたぞ!」



 それを聞いた周りの冒険者から歓声が上がる。そして、更にこの場が盛り上がっていく。



「ねぇ、私たちも探しましょう」



 ミーナも先ほどの歓声を聞いてソワソワしだす。

 しかし、俺のスキルで調べた限りだと、この辺りは実がほとんど取り尽くされて何も見えない。


 これだけ人数がいるのだ。それも仕方ないだろう。



「いや、この階層ではやめておこう。人が多すぎてほとんど実がないぞ」

「そういえば【鑑定】スキルが使えるんだったわね」



 ミーナの何気ない一言。しかし、それを聞いた冒険者たちが一斉に俺の方を向いてきた。

たくさんのブクマ、評価をいただき本当にありがとうございます。

出来うる限り今のペースを保ちたいと思っています。

今後ともよろしくお願いします。

空野進

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