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鑑定使いの冒険者  作者: 空野進
第六章、エビナフダンジョン
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シャーロッテの村

 一日かかると言われていたシャーロッテの村までの道のり。

 しかし、ウルちゃんの活躍によって時間が大幅に短縮され、ものの数時間で到着することが出来た。


 シャーロッテの村——村とつくところから田畑が多く、土と藁で出来た家々が所々に立つ素朴な場所……だと想像していたのだが。


 目の前にあるのはメルカリの町以上に栄えている、コンクリート造の家や、露店のテントが所狭しと立ち並んだ場所であった。


 さすがに俺は違う場所に来たのではないかと側にいた人に聞いてみる。



「すみません、ここはシャーロッテの村で合ってますか?」

「あぁ、そうだよ。お兄さん、冒険者かい? なら冒険者組合へと行くといいよ。この道をまっすぐ行って二つ目を右に曲がればすぐだよ」



 通りすがりの人は冒険者組合の場所を教えてくれるとそのままどこかへと歩いて行った。

 それにしてもこんな村に冒険者組合? だいたいはそこそこ大きな町にしかない場所なのにどうしてこんな町に?

 ただ、往来のど真ん中で悩んでいてもそれが解決されることはない。

 なら一度この村の冒険者組合に行くしかないだろう。




 俺たちは先ほどの人から教わったとおりに進んでいき、冒険者組合へとやってきた。


 そこは臨時で建てたのだろう、簡素な木の建物であったが、つけられている看板もちゃんと冒険者組合のものだった。


 とりあえず俺たちはまっすぐ受付へと向かう。



「すみません、この村に初めて来たのですけど」



 そう言って受付のお姉さんに冒険者証を見せる。

 それをじっくり眺めるように見ると笑顔を浮かべながら冒険者証を返してくれる。



「冒険者レベル【5】以上を確認しました。ようこそ、シャーロッテの村の冒険者組合へ。ここでは主に最近出来たこの村付近のダンジョン——エビナフダンジョンの素材等を扱っています。このダンジョンは一階層からレベル【5】相当の冒険者しか相手にできないような魔物が現れますので、現在レベル制限をさせてもらっています」



 ここの魔物は強いらしいな。もしかして、それでここに来た冒険者は困っているのだろうか?



「でも、その新しいダンジョンのためだけに冒険者組合を作るなんて……」

「それには特別な理由があるのですよ」



 受付のお姉さんは苦笑いを浮かべながら、少し離れた魔石や素材の換金場所を指差した。

 そこにいたのは上半身裸であまり整えていない髭が乱雑に生えていた大男だった。その人は高笑いを浮かべ、その換金場所でお金の入った袋を受け取っていた。


 どうしてあんな人を指差したのだろうと考え、嫌な考えが脳裏をよぎった。



「さすがに俺にそんな趣味はないですよ」

「ち、違いますよ!」



 さすがにその考えは俺の思い過ごしだったようだ。よかった……。

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