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鑑定使いの冒険者  作者: 空野進
第五章、新しい家と新たな仲間
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休息

 とにかく数日は出かけることになると思うので、俺たちは必要になりそうなものを買い出しに行くことにした。

 ミーナは実家にいるものを取りに行っているようなので、三人だけだ。



「まず、どこから買い物に行きますか?」



 どことなく嬉しそうに話してくるシャル。

 こうしてのんびりと過ごすのは久々かもしれない。



「ニャーは食べ物がいいにゃ」



 必死になって答えるニャー。



「どんな食べ物がいいんだ?」

「魚にゃ。魚を食べるにゃ」


 猫族の獣人だからと言うこともあるのだろう、ニャーはひっきりなしに魚を勧めてきた。

 まぁ、そのくらいならいいかな。といってもこの町にある魚は川で取れる魚だけだが。


 あんな生臭くてとても食べたものじゃないものをよく好んで食べるなと不思議には思う。

 値段が安いから助かるが。



「シャルはなにか欲しいものはあるか?」

「あ、あの……、私は服が……」



 そういえばシャルが持っている服はミーナのお下がりだけだ。

 自分のものが欲しいのかもしれない。


 こちらはそれなりの値段がするが、それでも今までのシャルの活躍を考えれば――。



「そうだな。シャルも好きな服を選ぶと良いぞ」



 そう言ってやるとシャルは笑顔を見せてくれ、嬉しそうにギュッとウルちゃんを抱きしめていた。

 少し苦しそうにしているウルちゃんには頑張ってもらおう。




 まずはニャーの魚が売っている屋台へとやってきた。

 ここには魚の他に肉とかも串に刺して焼いてくれている。

 ただ、やはり魚の臭いがきついせいか、寄り付いてきているのが獣人族の人たちばかりだ。


 念のためにシャルにいるかどうか聞くが、シャルは必死に首を横に振ったのでニャーの分だけを買い、それをそのままニャーに手渡す。ただ、一つでは足りないだろうから二つ購入しておき、そのどちらも渡すと嬉しそうに何度も魚と俺の顔を見返していた。



「本当にいいのかにゃ?」

「あぁ、むしろ俺たちは食べないからな」

「こんなにおいしいのにもったいないにゃ」



 そう言って俺から二つの魚を受け取るとあっという間に一つを平らげてしまった。


 もう一つは歩きながら食べるらしく、ゆっくりと嬉しそうに食べている。


 さて、次は服屋さんへ行こう。




 といっても流石に俺が中までついていくわけにはいかず、かといって魚を持ったままのニャーがいくわけにもいかないので、シャル一人で中へ入ってもらう。


 ただ、シャルは一緒に来て欲しそうな顔をして、最後まで俺の方をチラチラと見ていた。


 そして、シャルが選び終わるのをゆっくりとまっていると突然手を掴まれてお店の中に引きずり込まれる。


 な、何が!?


 油断していたところで突然の出来事。俺は対応できずにそのまま中に引きずり込まれると中には幾つかの服を持って顔を真っ赤にしたシャルの姿があった。

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