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鑑定使いの冒険者  作者: 空野進
第五章、新しい家と新たな仲間
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地下十三階層

 エアリアルウルフを倒した俺たちは、その先へと進んでいくとちょうど下に降りる階段を発見した。


 クルードフダンジョン、十三階層——ここに入った途端、俺たちは元の十二階層へと引き返した。



「な、なに、なんなんだ、あの場所は!」



 俺は額から汗を大量に流しながら言う。

 入ったのはほんの一瞬だったが、それでもそのあまりの暑さにいてもたってもいられなくなったのだ。まるで火口が側にあるような感じだった。



「さ、さすがにあの階層は進めそうにないですね……」



 シャルも少し息を荒げながら言う。

 やはり俺と同様に汗が止まらないようで、顔を少し赤く染めていた。



「うーん、困ったわね……。◯◯◯◯、ブレス」



 ミーナが腕を組みながら魔法を唱えてくれる。

 すると周囲に涼しい風が吹き始め、俺たちはようやく人心地つくことができた。


 ただ、獣人であるニャーは暑さに相当弱いようで、風が吹き始めた今でも参っているようだった。



「ダメにゃー。暑いニャー……」



 尻尾が完全に垂れ下がり、耳もぺたんと垂れている。

 そして、少しでも風が入ってくるように服を使ってぱたぱたと扇いでいた。


 それはいいのだが、ワンピースを使って扇いでいるものだから、チラチラと下着が見えてしまっている。


 ニャーは気にしていない点というかそれどころじゃないようなので、俺は顔を背け、そちらを見ないようにしていた。




 そして、しばらく下の階へ降りる階段側で休み、ニャーが動けるようになってから俺たちは一度ダンジョンを出ることにした。


 出来たらワープポイントまでは行きたかったのだが、あんな暑い階層……なんの準備もなしに進むことができない。


 暑さを抑えるものが必要だ。



「そういえばミーナの魔法で風を吹かせながら進むのは?」

「あんな暑いところじゃ私の魔法だと、温風にしかならないわよ」



 確かにミーナの風魔法はレベル【0】だもんな。

 つまり、もっと強い風を出せる人なら——。



「まぁ、私がもっと冷たい風を出せたとしても精神力が持たないから使い続けるのは無理だけどね」



 俺の考えはあっさりとミーナに砕かれてしまった。

 シャルが水魔法を使えたら……、とできないことも考えてしまう。水魔法の宝玉があればよかったが、そもそも宝玉は絶対スキルを覚えるわけではなく、覚えることができたとしてもレベル【0】固定だ。それ以上成長しない。


 しかもすごーく高価なものになるので今の俺程度では買うこともできない。

 あの屋敷を買うお金の倍くらいは必要になる。


 ただ、ああしてその階層を進めなくさせてる以上、なんらかの解決策はあるはずだ。


 やっぱり冒険者組合の人に聞くのが一番かな……。

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