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鑑定使いの冒険者  作者: 空野進
第五章、新しい家と新たな仲間
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エアリアルウルフ

 まずはすぐに気づきそうな……通路近くにいるエアリアルウルフを狙うようにシャルに言う。



「うん、頑張るよ」



 逃げ出そうとしているウルちゃんを腕に抱きかかえるとシャルは早速魔法の準備を始める。



「あっ、そうだ! あまり強い魔法を使うなよ。通路が崩れてくるからな」

「わ、わかりました……」



 少し慌てていることを見るとそれなりに強い魔法を使おうとしていたのだろう。

 まぁシャルが使うならどの魔法も強い威力を出してしまうだろうが。


 やはりちょっと通路が心配だな。



「シャル、くれぐれも通路の壁には当てるなよ」

「わ、わかってます……」



 さすがに魔法を使う前のシャルにあまり話しかけるのもよくないよな。

 俺は今度こそ静かにシャルの魔法が出来るのを待つ。



「行きます。◯◯△◯、ファイアー」



 杖を前に出し、魔法を唱えるシャル。

 するとすごく小さな火の玉が二つ、杖の先から飛び出したかと思うとまっすぐとエアリアルウルフに向けて飛んでいった。


 そして、炎に包まれたウルフは一瞬にして燃え上り、その姿を魔石へと変えていた。


 これなら残りのエアリアルウルフも……と考えるがシャルの使える魔法にも限界がある。あまり使わせすぎるわけにもいかないよな。


 残り三匹……これならなんとか……。


 そう考え、ミーナに強化魔法を使ってもらうと俺たちは通路の先へと進んでいった。




 そして、ニャーがエアリアルウルフ二匹相手に戦ってくれる。

 さて、俺は残りの一匹を……。

 そう考えて辺りを探すが……。



「あれっ? いないぞ?」



 もしかしてシャルが三匹倒したのかと魔石を見るが転がっている数も二個だけだった。


 どこ行ったんだ?

 もしかして、ニャーの【気配察知】が失敗してた? 五匹と言っていたのに実は四匹だったとか?


 そんなことを思い、ニャーのフォローに回ろうとした時にニャーが大声を上げる。



「ご主人様、後ろにゃ!」



 その声に反応し、とっさに後ろを向きつつ剣を向けると、そこに何かが当たった衝撃を感じる。


 ただ、そこに魔物の姿はなかった。

 もしかしてと思い、俺は【詳細鑑定】を使用する。

 するとはっきりとそこにエアリアルウルフの文字が浮かんでいた。



『エアリアルウルフ、レベル6』

【咆哮、レベル3】

【風魔法、レベル0】



 やはりここにいることは間違いないようだ。ただ、スキル内に透明化……といったものがない以上これは風魔法の一種か?

 レベル【0】で弱い魔法だと思っていたが、こういった使い方も出来るのか……。


 俺は少し反省して、【詳細鑑定】を常に表示し続けながらエアリアルウルフの対応をする。


 それなりにレベルは高いものの俺でも十分ついて行ける程度の動き……元はこういった姿を隠しての暗殺がメインの魔物なのかもしれない。

 まぁ、俺はミーナの強化がなければとても相手に出来なかったが。


 そして、二匹の相手をしていたニャーが自分の分の魔物を倒し終えると俺の方に来てくれて、残り一匹も倒すことが出来た。

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