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鑑定使いの冒険者  作者: 空野進
第五章、新しい家と新たな仲間
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【人形使い】

『古代機械人形』

【魔核、レベル3】



 魔核? なんだろう、それ?

 と不思議に思っていると、またバチッという衝撃とともに【詳細鑑定】が弾かれてしまった。


 一点に集中すると解除できるまでに時間がかかるようだった。



「シャル、魔核って知ってるか?」



 魔法のことならシャルかなと思い聞いてみる。

 しかし、彼女は小さく首を横に振った。そして、俺の服に顔を埋めた。

 よほど怖いのだろう。そっとしておいてあげよう。


 そう思い、次はミーナに聞いてみる。



「ミーナは魔核って知ってるか?」

「確か、古代機械人形(ゴーレム)とかを動かしている核……じゃなかったかしら。主人である人形遣いの言うことならなんでも聞く便利なものだったらしいわね。もっとも、今は失われた技術らしいけどね」



 へぇ……、失われた技術か……。

 それを聞いた俺はもう一度リビングに戻り、不動産屋さんと契約を交わすことにした。

 最後までシャルは首を横に振って嫌がっていたが……。




 不動産屋さんは俺に鍵を渡すとそそくさと帰っていった。

 やはり曰く付きの物件——あまり長居はしたくなかったのだろう。完全に話が聞こえなくなる場所まで行ったことを確認すると、俺はみんなに先ほど【詳細鑑定】で見たことを教える。


 それとあの可愛らしい人形が古代機械人形(ゴーレム)でこの家の曰くの正体であろうことも……。


 そして、もう一度あの人形を見に俺たちは先ほどの部屋へとやってきた。

 微妙に位置が動いているのは古代機械人形(ゴーレム)だからだろう。


 それにどことなく笑みを浮かべているような気がする。それに視線も怯えているシャルの方に向けられている気がする。

 まさか、怖がっている相手を脅かす古代機械人形(ゴーレム)なのか? いや、さすがにそんな奴はいないだろう……。


 自分で自分の考えを否定し、もう一つの可能性を調べることにした。




【白色冒険者証、レベル4】

【聖魔法、レベル2】

【火魔法、レベル3】

【魔法威力強化、10倍】

【人形使い】



 やはり、理由はわからないがシャルのスキルが増えている。それもレベルの表記がないユニークスキルだ。

 人形使い……おそらくあの古代機械人形(ゴーレム)を操れるスキルなのだろう。


 ただ、シャルが何も言わないため、古代機械人形(ゴーレム)の方も指示を待っているだけ……なのだろう。



「シャル……、何か指示を出して見て」



 怖がるシャルに優しく言う。初めは首を必死に横に振って嫌がっていたが、観念して小声で言う。



「この家の掃除を……して……」



 今にも消えそうな声。しかし、その言葉を聞いた途端に古代機械人形(ゴーレム)は嬉しそうに動き出したかと思うと、どこかへ行ってしまった。


 突然の出来事に俺の服をつかむ手に力が込められる。

 そして、人形が行ったのを確認するとシャルはその場に座り込んで、大きく息を吐き出していた。

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