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鑑定使いの冒険者  作者: 空野進
第四章、冒険者組合の依頼
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新たな問題

 次の日に冒険者組合へと足を運ぶ。

 するとなぜか今まで騒々しかったのが、鎮まり返り俺たちが注目される。



「な、何かありました?」



 その様子に俺たちは固まり、受付のお姉さんに事情を確認する。



「何かって、それどころじゃないんですよ! 昨日あなたたちから受け取った魔石! あれ、魔族と呼ばれるものの魔石だったんですよ」



 へっ? 魔族?

 確か本か何かで読んだことあるな。昔、魔王と呼ばれる強大な力をもった魔物の配下だったものたちの総称……だったか。


 それぞれが強い力を持っていたらしい。


 本で書かれるような存在……ということで今は実在しないものだと思ってたけど、本当にいたんだな。



「って、魔族の魔石!?」



 俺はお姉さんのその言葉に驚きの声を上げる。そして、お姉さんが手に持っているそれを慌てて【詳細鑑定】する。



『魔石(魔族)』



 しっかりと魔族の魔石と書かれている。

 嘘だろ!? そんな奴の姿なんて……いや、もしかして、ビッグアリゲーターがチラチラと後ろを見ていたのは、この魔族がいたからなのか?


 でも、そうなるとシャルの魔法は魔族すら一撃で葬り去る威力がある……ということになる。


 改めてシャルの持つ【魔法威力強化、10倍】の凄さを思い知らされた。


 でも、どうしてシャルがそんなスキルを持っていたのだろう?

 確かに得ることができるスキルはある程度は両親と似通ったスキルになるとはいえ、基本的にランダムだ。


 つまり、シャルがこのスキルを得たのも本当にたまたまで、今までそれを使うことがなかったというのも、偶然の産物……ということか。


 まぁ、それを言ったら俺が持っている【詳細鑑定】も俺独自のものだ。似た【鑑定、レベル1】とかいうスキルを持っている人なら何度も見たことがあるが、【詳細鑑定】というものを持っている人は見たことがない。


 もしかすると【レベル】が書かれていないスキルは独自の……ユニークスキルということなのかもしれない。




 それから俺たちは魔族がいた状況について詳しく尋ねられる。

 しかし、俺たちですらその姿は見ていないので、結果的にはすごく弱い魔族がいた……ということで結論付けられた。


 しかし、冒険者証レベルとしてはそのままにしておくわけにはいかないそうだった。


 結果的に次の……地下十五階層攻略と同程度の力があるとして、レベル【6】へと繰り上げされることになった。


 ここまでくるともうベテランクラスだ。とても数日間できたとは思われないだろう。


 俺のことを知るものには「どんな狡い手を使ったんだ?」という目で見られ、知らないものには羨望の眼差しを向けられる。


 しかし、基本的に絡んでくるようなものはいなかった。


 魔族を倒したことには変わりないわけだから、それに怯えているのだろう。


 しかし、全員が全員絡んでこなかったわけではない。

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