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鑑定使いの冒険者  作者: 空野進
第四章、冒険者組合の依頼
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依頼達成

 俺たちは町に帰るために地下十階層にあるワープポイントへと向かった。

 捕まっていた人達も元はダンジョンで捜索をしていた人達なので、この階層の魔物達はものともせずに先に地上へと帰っていったようだ。



「そういえば、お兄さんの名前を聞いていなかったね。私はフィオだよ」

「俺はハクトール、あとは前から、ニャー、ミーナ、シャルだ」

「みごとに女の子ばかりだね。ハーレムでも目指してるの?」



 助けてから妙になれなれしくなったフィオ。



「いや、ダンジョン内の戦力を求めていったらこうなっただけだ」

「ハクと私は婚約してるよ」



 途中でミーナも参戦してくる。



「それはミーナを助けるためであって、実際には婚約まではしなかっただろう」

「まぁ、そうなんだけどね」



 あまり面白くなさそうな表情をするミーナ。自由に生きられるようになったのだからもっと笑ってくれれば良いのに……。

 俺なんかと一緒になってもいいことなんてないのにな。




 町まで帰ってくると早速冒険者組合に行き、フィオが無事なことを見せに行く。



「ご迷惑おかけしました。でもハクさんのおかげでこうしてピンピンしています」



 そう言いながら俺に抱きついてこようとするので、手で頭を押さえてそれを阻止する。

 すると、心配をしていた受付のお姉さんが安心した笑みを浮かべ、事情を聞いてくる。



「でも、フィオさんも十階層を走破した冒険者なんですよ。戻ってこれない理由は一体何だったのですか?」



 ここは素直に答えておくべきだよな。

 こういったことはミーナが詳しそうだと彼女の顔を見る。

 嬉しそうに頬を染めて、手を当ててくねくねとし始めるミーナ。

 これは事情を理解してないなと俺は小声で耳打ちする。



「(これは素直に言った方がいいんだよな?)」

「(そうね。また起こっても大変だし、素直に伝えておいた方がいいんじゃないかな?)」



 耳打ちの内容に少し落ち込みながらも答えてくれる。

 それを聞いて俺も納得できたので、起こったことを詳しく受付のお姉さんに話す。


 そして、落ちていた魔石を見せる。

 一つはビッグアリゲーターが落としたと思われる大きな緑色の魔石。もう一つはなぜか付近に落ちていた小さな金色の魔石。


 まず、ビッグアリゲーターの魔石を見て驚きの表情を浮かべるお姉さん。しかし、それ以上に小さい魔石を見て驚いていた。



「これ、これ、本当に落ちていた魔石なのですか!?」

「え、えぇ、多分ビッグアリゲーターを倒した時に別の魔物も一緒に倒して落ちたものだと思うんですよ」

「これ、少し預かってもよろしいですか? 詳しく調べさせてもらいたいのですけど」

「いいですよ」



 どっちにしてもここで売るわけなんだし、預けるのも大して変わらない。



「あっ、そうでした。これが依頼の分の報酬です。受け取ってください」



 そして、俺に袋包みを渡してくるお姉さん。

 俺がそれを受け取ったのを確認するとそそくさと奥の部屋へと行ってしまった。

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