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鑑定使いの冒険者  作者: 空野進
第四章、冒険者組合の依頼
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冒険者組合の頼み

 ミーナが俺たちのパーティに戻ってきてから、俺たちは改めて自分らの能力を強化していった。

 おそらく今のままでは十一階層に入っても命の危険があると判断したからだ。


 それにミーナは少しパーティを抜けていたため、慣れてもらう意味も込めていた。のだが……。



「ミーナ、そのキャスターゴブリンには弱体魔法は効きにくい。もう一体のソードゴブリンを狙え!」

「わ、わかったわ」

「ニャーはまずキャスターゴブリンから狙え! ソードゴブリンはあとからにしろ」

「にゃにゃ、了解にゃ」

「シャルは待機だ。このゴブリン達には火は効きにくい」

「わかりました」



 想像以上に弱点の【詳細鑑定】は役に立つようだ。

 今の俺にはこのように表示が見えている。



『ソードゴブリン、レベル3』

【剣術、レベル2】

【近接戦闘に強い、レベル1】

【魔法全般に弱い、レベル4】



『キャスターゴブリン、レベル2』

【火魔法、レベル1】

【魔法全般に強い、レベル2】

【近接戦闘に弱い、レベル5】



 おそらくこのレベルが高いほど、効きやすい、効きにくいの判定があるのだろう。

 そのおかげで効率よく皆に指示を出していくことが出来る。


 ソードゴブリンの攻撃が他のところに行かないように俺は適度に剣で応戦しつつ、周囲の状況を確認する。

 このまま戦っても問題なさそうだな。


 そう思っているとニャーがキャスターゴブリンを倒し終え、俺の手助けを始めてくれる。

 すでにミーナの弱体魔法は効いている。これなら多少近接攻撃に強くても問題なく倒せるだろう。


 そして、俺の想像通りあっさりとゴブリンたちを倒すことができた。

 この弱点の部分は同じ種類のゴブリンでも違うようで、近接攻撃は強いけど、打撃攻撃だけ弱い……とか、魔法の中でもこの種類の魔法だけが弱い……とかがあるようだった。


 まぁ俺たちが使える魔法は火と風と聖だけだからあまり気にしなくても良さそうだが。




 そして、適度に狩り終えて冒険者組合に戻ってくると中は何だか騒々しい雰囲気だった。



「どうしたのですか?」



 俺はいつものように魔石を置くと理由を聞いてみる。



「あぁ……、何でも地下十一階層から戻らないメンバーがいるそうなんですよ。でも、そこまで深く潜れるような人がいなくて……っていたーー!?」



 受付のお姉さんが俺の手をつなぎ、言ってくる。



「すみません、ハクさん。申し訳ないのですが、第十一階層へ行ってその人を探してきてくれませんか?」

「そもそも、ダンジョン内で行方不明ってすでに亡くなってる可能性が……」

「それはないです!」



 受付のお姉さんがきっぱりと言い切ってくる。



「この冒険者証は持ち主の生死を判断する機能がついてるんですよ。それを一つはお渡しして、もう一つは組合内に保管する。そうすることで最低限生死だけはわかるようになってます」



 ……? よくはわからなかったが、まぁ不思議な機能がついてるということでいいか。



「ただ、俺たちはまだ十一階層に一度も入ったことがないのですよ。そんな人に任せるには荷が重い……」

「今はそこまで潜れる人がいないのですよ。ちょうど別のダンジョンの捜索とかで、ベテランの方々が出払ってまして……」



 そういえば、ダンジョンはここだけじゃなくて、世界のあちこちに点在するんだったな。まぁ移動する距離を考えたら、一箇所にとどまった方が稼げるんだけどな。



「お願いします。頼れるのはハクさんしかいないんです!」



 手をぎゅっと握られて頼まれる。

 仕方なく、確認の意味も込めて後ろにいるシャルたちの目を見る。


 シャルは頷いてくれている。

 ニャーは上の空で何を考えているのかわからない。

 ミーナはそっぽ向いている。


 うん、判断できない。

 仕方ないので俺は自分の意思で決めることにした。



「わかりました。ただ、どこまでできるかはわかりませんよ?」

「それでも構いません。よろしくお願いします」

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