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鑑定使いの冒険者  作者: 空野進
第三章、ミーナの婚約
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ミハエルの加入

 俺たちはミーナの家を出た後、冒険者組合前へとやってきた。

 今日潜って得た魔石を換金するためだ。



「おい、こんなことをする前に早くダンジョンに!」



 ミハエルは急かしてくるが、俺たちには俺たちのペースがある。



「ミーナさんの結婚まで一月もないんだぞ!!」



 それは初耳だった。しかし、それだけあるのならなんとかなる……かも。

 いいながら少し不安になる。

 今のパーティのままでは明らかに力不足だったからな。



「ニャーとシャル……だけで攻略できないなら更に人手を集めるか……」



 ふと考えをつぶやいた時にミハエルが言ってくる。



「俺がいるだろ! ミーナさんを救うまで俺がお前のパーティに入ってやる! それであわよくば……」



 少しミハエルの願望が漏れていたが、人手が足りない今、それはすごく助かる。余裕が一月しかないのなら二十日ほどで攻略できるように作戦を組まないとな。


 それにミハエルが加わったとしてもあの地下六階層を攻略する糸口が見つからない。


 いや、ちょっと待て!


 俺は慌ててミハエルを【詳細鑑定】する。



【白色冒険者証、レベル4】

【剣術、レベル4】

【水魔法、レベル2】



 前の時より剣術レベルが上がってる……。このレベルはそうそう上がらないので、きっと俺たちに負けた後すごく特訓をしたのだろう。でも肝心なのはもう1つの方だ!



「ミハエル、お前は水の魔法が使えたよな?」

「あぁ、使えるがそれがどうした?」

「しばらくはそれを特訓してくれ。……そうだな。一日一回、朝に冒険者組合前に集合だ。俺がいけると思った段階で出発する」

「どうしてお前にそれが……そうか」

「あぁ、俺は【鑑定】持ちだからな」



 実際は少し違うのだが、わざわざ説明する必要もないだろう。俺はミハエルに指示を出しておく。

 これでおそらく地下六階層は攻略できるだろう。

 あとは七階層以下の情報を仕入れたいところだが、さすがにそうそうそんな情報は仕入れられないだろう。


 なら他に出来ることは?

 俺たちも少しでも強くなることくらいだろう。


 特にシャルには魔法を多用させて少しでも使える回数を増やしてもらいたい。

 そうと決まったら俺たちはダンジョンに潜ろうか。




 俺たちはまずはワープポイントを使い地下五階層へとやってきた。ここから降りて地下六階層に行くのではなく、今の俺たちでも厄介な四階層のロック系の魔物、五階層のオークをメインにして戦っていくことにした。


 まずは四階層へと向かうが、その道中にオークがいる。

 もちろん、それも倒していくが、その際にシャルには変わった指示を出す。



「いつもの全力じゃなくて、余力を残した状態で、なおかつニャーに当てないように魔法を撃ってみて」



 中々難しい注文にシャルは難しい顔をしていたが、それでも小さく頷いてくれた。

 あと、ニャーには「シャルの攻撃には当たるな」ということを追加で言っておく。



 そして、戦い始めたオークだが、やはり戦いにくそうにしていたし、危うくニャーに当たりそうになることもあった。


 どうしても接近戦で高速戦闘してるニャーがいるとシャルの魔法が生かせない。そう思ってなんとか生かす方法を考えたのだが、簡単に合わす……なんてことはできないよな。

 なんとかオークは倒したが俺たちはそれだけで疲れきってしまった。


 本当なら四階層も行きたいところだったけど、今日はこのくらいで宿へと帰って行った。




 そして、翌朝。

 ミハエルを【詳細鑑定】してみるが、まだ【レベル2】のままだった。ただ、それでも使えるレベルの魔法かと一度見せてもらったが、やはりまだ強化が必要かなという結論に至った。

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