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鑑定使いの冒険者  作者: 空野進
第二章、奴隷の少女
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シャルの焦り

47AgDragonシルドラ先生よりシャルのFAをいただきました。活動報告にて公開させていただいております。

 宿へと帰ってきた俺たち。

 ただこう人が増えてきたから、いつまでも宿に泊まらずに家を買ってもいいかもしれない。

 まぁ大金が必要になるから今すぐということでないが。


 そんなことを思い、宿に帰ってくる。

 ニャーが来てからは一応二部屋とっていたのだが、初めの夜にシャルがやはり怖がって枕を持ってやってきた。そして、俺と一緒に寝てたことをニャーが怒り、仕方なしで一緒の部屋で寝るようになった。


 その結果、片方の部屋は荷物置き場と化してた。



「そういえば、これからお金を貯めるんだけど、家を買おうと思うんだ。いつまでも宿に泊まるよりその方が経済的だからな」

「いいと思いますよ。私は賛成です」

「ニャーはご主人様についていくのにゃ」



 真っ先に返事をしてくれるシャル。そして、それにつられるようにニャーも言ってくる。

 二人とも頷いてくれたのならお金がたまり次第買おうと決める。


 そういえばニャーは新しいスキルを得ていたけど、シャルはどうだろう。【詳細鑑定】を使いシャルのスキルをじっくりと見る。



【白色冒険者証、レベル4】

【聖魔法、レベル2】

【火魔法、レベル2】

【魔法威力強化、10倍】



 さりげなくレベルが上がっているな。でも新しいスキルは増えていないようだ。もしかすると最近使う魔法回数が多くなってきたのもこのレベルが影響しているかもしれない。


 

「どうかしましたか?」



 シャルが俺を覗き込むように見てくる。



「いや、少し鑑定をしていたんだ」

「そういえばハクさん、鑑定所に勤めていらっしゃったんですよね。私のスキル、どうでした?」

「いや、前と変わらないよ。【魔法】スキルだけだよ」

「そうですか……少し残念です」



 そう言いながらもシャルは笑顔を見せていた。

 スキルがなくてもあまり悲しそうには見えないな。



「ニャーは? ニャーはどんなスキル持ってるの!?」



 シャルと話しているとニャーが俺に向かって飛びついてくる。



「ニャーは【短剣術】と【瞬間加速】と【気配察知】だぞ」



 それを聞いたニャーは嬉しそうにその場をくるくる回っていた。

 しかし、シャルはどこかしら悔しそうな顔をしていた。

 もしかして、自分のスキル数が少ないことを気にしているのか? そうは言ってもシャルには圧倒的な【魔法威力強化、10倍】のスキルがある。あまりに強すぎて本人には話していないが……。




 そして、次の日。

 一応ニャーの短剣が出来るまで休みにするとミーナには言ってある。

 俺たちは三人で町へと出て来た。

 特に何か目的があるわけでもない。でもすることもないのでのんびりと見て回りに来た。



「ご主人様、ニャーはお腹すいたにゃー」



 俺に必要以上にひっついてくるニャーにシャルは少しムッとなり、空いている反対側の手をつかみ取ってくる。



「シャル?」

「き、気にしないでください。さぁ、行きましょう」



 シャルは顔を赤くしながらも俺の手を引いて進んでいく。


 それから適当に町中を見て回り、お店の屋台で食べ物を買って、自分のを食べたあと、俺のも欲しそうにしてるニャーがいたので、俺は乾いた笑みを浮かべながら、そっと自分のを渡すと「いいのかにゃ?」と聞いたあと、本当に嬉しそうに食べてくれる。


 シャルはシャルでずっと俺の服を掴んだままだが、その表情はどこか嬉しそうだ。


 やっぱりダンジョンでは神経をすり減らすから、こういったのんびりした日も大切だな。

 そう感じた俺は休みの日をシャルやニャーとのんびり過ごした。




 そして、ダンジョンに行く日。

 俺たちは前もってニャーの武器を受け取ったあと、冒険者組合の前で待っていた。

 しかし、前回はすごく早く来ていたミーナがなぜか今回はまだ来ていなかった。


 もしかして、前回は俺たちが遅かったから出る時間を遅らせたのかな?


 そう感じ、ゆっくりと待っていると知らない男の人が俺たちに近づいてきた。



「あなたがハクさんですか?」



 どうやら俺のことを知っている人のようだ。もしかして、鑑定所をしていた時の客だろうか?

 鑑定をして調べてみる。



【騎士証、レベル10】

【剣術、レベル8】

【火魔法、レベル4】

【腕力、レベル4】



 相当強い人だ。こんな人を【詳細鑑定】した覚えないんだけどな。と思っていると向こうから話しかけてくれる。



「あなたと一緒にパーティを組んでいたミーナ・ラーノルド様だが、今後は冒険者活動をひかえることになった。あなたには申し訳ないが了承してくれ」



 それだけ言うとなにか物が入った小袋を渡しどこかに行ってしまった。

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