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鑑定使いの冒険者  作者: 空野進
第二章、奴隷の少女
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ニャーの武器

 俺だけの考えじゃまとまらなかったのでニャーにも確認してみる。



「あのキャタピラーと戦うのは危ないんだけど、ニャーは戦いたいのか?」

「もちろんにゃ。ニャーはご主人様の奴隷にゃ。ご主人様のためになることならしたいのにゃ」



 ニャーは真剣な表情を見せてくる。そこまで言うなら次からはニャーも入れて戦闘していこう。

 そう考え、俺は落ちた素材を【詳細鑑定】する。



『毒虫の棘』

【毒、レベル1】



 よし、これなら短剣の素材になるはずだ。問題はこれで数が足りるかどうか……せっかくだからもう少し集めておくかな。



「まだ戦闘していくけど、シャル? まだ魔法は使えそう?」

「はい、威力を抑えていたからか、まだまだ使えそうです」



 グッと手を握るシャルの姿に笑みを浮かべながら俺はさらにポイズンキャタピラーを探し始める。



「ご主人様、こっちにさっきと同じ魔物がいるにゃ」



 ニャーが俺たちをその魔物がいるという場所へと誘導していく。

 本当なのかという疑惑があったが、あまりにもニャーが自信たっぷりだったことと、この近場にポイズンキャタピラーが見つからなかったので、ニャーについていくことにした。



「ほらっ、あの魔物にゃ」



 ニャーが指差したのは確かにポイズンキャタピラーだった。でもニャーは周りを探るような……いや、気配でわかったとしてもそこからポイズンキャタピラーだけを探すスキルはなかったはずだ。


 そう思い、今一度ニャーに【詳細鑑定】を使う。



【白色冒険者証、レベル1】

【短剣術、レベル2】

【瞬間加速、レベル1】

【運の良さ、レベル1】

【気配察知、レベル1】



 もしかして、ニャーは後天的にスキルを得たのか?

 確かに理論上は得ることが出来るものだ。他にも宝玉を使えば得ることが出来るくらいだからな。

 しかし、こうやって目の前で取得されたのを見たのは初めてだった。



 もしかして、他のメンバーや俺も? 少し期待してしまうが今はポイズンキャタピラーの目の前だった。

 調べるのはあとにしよう。



「よし、シャルとミーナはいつも通り、ニャーは素早さでかく乱してやれ」



 それを聞いたニャーは嬉しそうに突っ込んでいった。




 ニャーが加わった結果、予想以上に楽にポイズンキャタピラーを倒すことができた。

 ニャーの攻撃はほとんど効かず、攻撃回数はあまり変わらないがポイズンキャタピラーがなぜかニャーばかり狙ったのだ。


 もしかするとすぐ近くでチラチラしてるのがうっとおしかったのかもしれない。


 もちろん素早いニャーはポイズンキャタピラー程度が捉え切れる相手でもなく、一度も攻撃を受けることがなかった。

 そして、ニャーは俺の役に立てると思ったのか、終始笑顔を見せていた。




 そしてポイズンキャタピラーを十体ほど追加で倒した。

 初めは全然落ちなかった魔物の素材もニャーが加わった途端によく落ちるようになり、合計五つの『毒虫の棘』が集まった。

 これだけあれば足りるだろうか?


 少し不安になりながらも俺たちは今日のダンジョン内捜索をやめて武器屋に向かうことにした。




 まずは冒険者組合に行き、魔石を手渡すと俺たちは武器屋へと向かった。


 そして、武器屋のおじさんに素材を渡す。



「この素材で短剣作れますか?」

「あぁ、これだけあれば十分すぎるほどだ。二本作れるがどうする?」



 二本も作れるのか……。持ってても仕方ないかもしれないが、使えるものなので頼んでおこう。



「はい、お願いします」

「じゃあ、三日後に取りに来てくれ。いいものに仕上げておく」



 俺は武器屋のおじさんにお金と素材を渡し、宿に戻っていった。

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